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冨「おい!!不死川!!いないのか!?

Aが…」

『義勇さん』


部屋から玄関を覗くと義勇さんは私と同じくらいひどい姿で立っていた


冨「A…!!心配した…」


走って義勇さんの胸に飛び込むと義勇さんは力強く抱きしめてくれた

『…ごめんなさい』

冨「もういい。家に帰るぞ」








黙って手を繋いで義勇さんと帰路を歩く


『ほんとに…ごめんなさい

酷いこと言っちゃって…』

冨「いや、俺の方こそだ」


また沈黙になる




伝えなきゃ


好きだって


冨「あ」『あの』


被ってしまった


『先にどうぞ』

冨「婚約破棄のことだが…Aを探している間考えた」


心臓がどくんと跳ねる



義勇さんが立ち止まってこちらを振り返った

吸い込まれそうな青い瞳が私の視線を捉える



冨「お見合いの婚約、破棄しよう」

『…ッ』


やっぱり桜さんのことが…


『あ…えっと…義勇さんがそうしたいなら…』


なんて言えばいい?

引き止めてもいいの?

自分の気持ちを伝えてもいいの?


『義勇さん、私、私は…』


冨「待て、最後まで聞け」


義勇さんは跪いた


『義勇さん?服が汚れてしまいますよ』


義勇さんはおもむろに懐から小さな箱を取り出した


中を開けると月の光が反射してキラキラと輝いた指輪が入っている




これは、まさか、



冨「俺と、結婚してほしい」


『!!』


冨「俺はAが好きだ

お見合いの結婚ではない

本当の夫婦になりたい」


義勇さんの手は震えていた


その手を優しく包んで私は微笑んだ


『よろしくお願いします』

冨「本当に…俺でいいのか?」

『義勇さんが、いいんです』


義勇さんは立ち上がって私の肩を引き寄せた


そして触れるだけのキスをした


『自分からしたのに照れないでください』

義勇さんの顔は月明かりの下でも分かるほど真っ赤でそれが可笑しくて私はクスクスと笑った

冨「Aと違って慣れてないんだ。仕方ないだろ」

『嘘つき

桜さんがいたじゃないですか』

冨「…は」

『彼女だったんでしょう?』


義勇さんは固まった


そして


冨「ふっははっ」


堪えきれないように吹き出した


『なんで笑うんですか!?

不死川さんなんて涙流して大爆笑なんですよ!!』

冨「すまない…Aがかわいくて…」

『かわ…!!』

冨「桜は男だぞ」





サクラハオトコダゾ?



桜は男だぞ!?

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ありんこ - 面白いです! (2020年1月13日 13時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
煌星(プロフ) - すごい面白いです! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 07a235a149 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 毎回楽しみに拝見させてもらってます!これからも応援しています! (2020年1月7日 23時) (レス) id: 14536be37b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:circle | 作成日時:2019年12月21日 11時

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