暖かい手をさしのべて5 《リヴァイ》 (ページ10)

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ｴﾚﾝ｢(これからどうする？

壁の穴が塞げるようになったからってそれで人類は救われるのか？

俺は特別でもなんでもないのに

でも本当に悪運なのは人類の皆さんだ)

俺なんかが切り札でよぉ｣

『なーに怖い顔してんの？エレン』

ｴﾚﾝ｢A…

なぁ、この街の子供たちはあの時の俺たちみたいだな｣

ｱﾙﾐﾝ｢あぁ…

まさか今日この壁よりデカい巨人が襲ってくるなんて思ってもないだろうからあの日の僕達と同じ光景を見るだろうね

でもあの日と違うのは壁の上に巨人を迎え撃つ兵士がいて、それが僕らだってことだ｣

『そうだよ

あの時とは違う

私たちは

戦える』

ｴﾚﾝ｢…！！｣

ﾐｶｻ｢エレン、止まってる暇はない

手を動かして｣

エレンが自分の頬を力強く殴り始めた

『エレン！？』

ミカサが必死でエレンを止める

ｱﾙﾐﾝ｢何してるの！？

傷を作ったの？

巨人になるにはまだ早いよ｣

ｴﾚﾝ｢いや…

どうしようもねぇクソガキを殴ってただけなんだけど…

死んでたらいいな｣

『？

よくわかんないけど…』

兵｢移動中の巨人に再標準！！

うなじを狙って深くいっぽーん！！｣

固定砲はさっきからずっと火を噴きっぱなし

兵｢よし、うなじの肉を捉えている

次の攻撃で…

うわっ！！｣

もはや真下にいるロッド・レイス巨人が高温の煙を吹き出した

『まずい、風向きが変わった！！』

兵｢隊長！！何も見えません！！｣

兵｢構わん！目標はすぐ下だ！

うてぇぇぇ｣

しかし時すでに遅し

ロッド・レイス巨人は体を起こし壁に手をかけた

今までずっと地面にすっていた前半身が露わになる

顔はほとんどなく腹もえぐれて臓器が見えている

それを見て逃げ惑う住民

兵士の必死の誘導も聞こえていないようで大混乱だ

兵｢終わりだ…

俺の育った街が壊される…｣

肩を叩かれ驚いて後ろを振り向く駐屯兵

ﾘｳﾞｧｲ｢下がってろ

駐屯兵団

あとは俺たちが引き受ける｣

水をかぶって準備万端のリヴァイたち

ｱﾙﾐﾝ｢出番だよ、エレン｣

ｴﾚﾝ｢あぁ…｣

エレンも肩を回して調子を整える

ｴﾚﾝ｢アルミン、A｣

急いで持ち場につこうとした2人にエレンは声をかける

ｴﾚﾝ｢あの日と違うことはもう1つあるぜ｣

『え？』

ｴﾚﾝ｢頼りねぇかもしれねぇけど

人類には

切り札があるってことだ！！｣