暖かい手をさしのべて5 《リヴァイ》 (ページ33)

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訓練兵団から帰って2日後のこと

Aはエルヴィンに呼び出され会議室に来ていた

部屋にはエルヴィンやリヴァイ、ハンジ、ピクシス司令、ザックレー総統といった幹部が集結している

机の上にはケニーがロッド・レイスから奪い、リヴァイに託した巨人化の注射の箱が置かれている

ｻﾞｯｸﾚｰ｢それで？瓶の中身は解明できそうなのか？｣

ﾊﾝｼﾞ｢それが、我々の技術ではこれ以上探ることはできないようです

エレンとヒストリアから聞いた通り骨髄液由来の成分ではあるようなのですが

この液体は空気に触れるとすぐに気化してしまい分析は困難です

やはり我々の技術とは比べ物にならない程の代物です

レイス家が作ったのだとしたら一体どうやって…｣

ﾋﾟｸｼｽ｢うーむ…なら下手に触るより当初の目的に使用したほうがいいじゃろう｣

ｻﾞｯｸﾚｰ｢だが誰に委ねる？エルヴィン、お前か？｣

ｴﾙｳﾞｨﾝ｢いえ…私は既に手負いの身

この箱は最も生存率の高い兵士に託すべきかと…

リヴァイ、頼めるか？｣

ﾘｳﾞｧｲ｢任務なら命令すればいい

何故そんなことを聞く？｣

ｴﾙｳﾞｨﾝ｢これを使用する際はどんな状況下か分からない

つまり現場の判断も含めて君に託すことになる

状況によっては誰に使うか君が決めることになる

任せてもいいか？｣

ﾘｳﾞｧｲ｢お前の夢ってのが叶ったらその後はどうする？｣

ｴﾙｳﾞｨﾝ｢分からない。叶えてみないことには｣

ﾘｳﾞｧｲ｢…了解だ｣

リヴァイは箱をしまった

ｻﾞｯｸﾚｰ｢ところでそろそろ私の作品を披露したいのだが考えてくれたかね｣

ﾋﾟｸｼｽ｢まだ諦めとらんかったのか

あのようなおぞましいものを民衆にさらしてみよ

兵団の信頼は地に叩き落とされるぞ｣

ｻﾞｯｸﾚｰ｢芸術の分からんやつめ｣

『リヴァイ？どうしたの？黙っちゃって』

リヴァイが下を向いて何か考え込んでいる

ﾘｳﾞｧｲ｢なんでもねぇ｣

ポンと頭を叩かれた

『そ？』