暖かい手をさしのべて5 《リヴァイ》 (ページ31)

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次の日の早朝

調査兵団は訓練兵団に馬を走らせている

『エレンが男のことを思い出したって？』

ﾊﾝｼﾞ｢そう、名前はキース・シャーディス｣

『どんな人なの？』

ﾊﾝｼﾞ｢エルヴィンの一代前の調査兵団団長だよ

今は訓練兵団教官をやっている

私たちも会うのは久しぶりだが…｣

ﾘｳﾞｧｲ｢Aも昔見かけたことがあるはずだ

エレンたちがまだ訓練兵だったころ訓練兵団に連れてったろ？あの時にエレンたちをしごいていた教官だ｣

『あぁ…あのゆで卵みたいな…』

シャーディス教官に会うと何も言わず教官室に連れてこられた

ｷｰｽ｢どうした？ブラウス

座らないのか？｣

ｻｼｬ｢いえっ！！

わたくしめはここで結構ですっ！！｣

何を怯えているのかキースと目を合わさず冷や汗を流すサシャ

ｷｰｽ｢思えばお前はよくこの教官室に呼び出されて絞られていたな

あれからたった数ヶ月…みんな見違えるように変わった｣

ﾊﾝｼﾞ｢シャーディス団長、いえ、教官殿

ウォールマリア奪還を目前にした我々がこうしてここに詰め寄る理由を察しておいででしょうか？｣

キースはハンジから目を逸らしエレンに目を向けた

ｷｰｽ｢エレン、お前は母親によく似ているな

しかしその瞳の奥にやどす牙は父親そっくりだ｣

エレンは苛立って立ち上がった

ｴﾚﾝ｢話してください！！知ってること全て！｣

ｷｰｽ｢何も知らない。結論からいえばそうだ

だが人類の利にならない私の話でよければ聞いてくれ。

"傍観者"でしかなかった私の話を｣

キースは語り始めた

エレンの父、グリシャとの出会いから始まり

調査兵団団長になったこと

凡人どもでも理解出来るくらいの偉業を自分は成し遂げられる

なぜなら自分は特別な人間だから

そう思っていた

しかしそれは間違いだった

特別な人間はいる

ただ、それが自分ではなかったというだけ

たったそれだけの事