暖かい手をさしのべて《○○○》 (ページ47)

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Aが城に帰るとリヴァイとエレンが机に座っていた

ﾘｳﾞｧｲ｢A、エルヴィンの所に…｣

『その前にエレンと話をしてもいい？』

ｴﾚﾝ｢！｣

ﾘｳﾞｧｲ｢チッ

早くしろよ｣

Aはエレンに向き直った

『エレン、ちょっといい？』

ｴﾚﾝ｢あ、あぁ｣

2人で外を歩く

『聞いたよ。6位で卒業したんだって？

すごいじゃん』

ｴﾚﾝ｢全然すごくねー。ミカサは首席だ｣

エレンの言葉に少し嬉しそうにするA

そして2人は木陰に座る

『じゃあ話すね』

ｴﾚﾝ｢おう｣

深呼吸をひとつしてAは話し始めた

『私はあなたからお母さんを奪った』

ｴﾚﾝ｢っ…｣

Aは続ける

お母さんが自分のわがままを聞いて家に戻ったこと

そしたら岩が降ってきてお母さんが潰されたこと

そして巨人に食べられたこと

『だから私はあなたに許されないと思って、だから話したくなかった

でもペトラに言われて気付いたの。それは"逃げ"だって

確かに私はあなたに嫌われたくないと思っていた

でもやっぱり話さなきゃいけないと思った。もう逃げないって決めたの。

だからたとえあなたに嫌われたとしても私は…

なんで…泣いてるの？』

ｴﾚﾝ｢ごめ…な

ずっと…ずっと辛かったよな

守ってやれなくて…ごめんな｣

『…なんで…なんでこんな私にそんな優しい言葉をかけるの？

私があなたのお母さんを殺したのよ？』

ｴﾚﾝ｢母さんを殺したのは…巨人だ

悪いのは全部巨人だ

だからAを恨む気持ちなんて1mmたりともないしこれからは絶対俺が守ってやる

話してくれてありがとな｣

そう言ってエレンはAの頭に手を置いた

昔のように

『…あり…がとう』

Aの目から涙が1つ、2つ、溢れて止まらない

Aが泣き止むまでエレンはずっと隣でAの頭をなでていた

『もう大丈夫。結局私が泣いて終わってしまってごめんなさい』

ｴﾚﾝ｢はぁ？んなのいいんだよ

それより早く戻るぞ。エルヴィン団長と話あんだろ？｣

ﾘｳﾞｧｲ｢おせーよA…

泣いたのか？

おいエレン！！｣

リヴァイがエレンの胸ぐらを掴む

『リヴァイ！！』

ﾘｳﾞｧｲ｢お前が泣かせたのか？｣

『リヴァイ、私が勝手に泣いたの

エレンは何も悪くない』

リヴァイがようやくエレンを離した

『顔洗ってくる

ちょっとまってて』