暖かい手をさしのべて《○○○》 (ページ40)

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エレンはエルヴィンの言葉に安心した表情を見せた

しかし、

ドカッ、と音をたててエレンの隣に座るリヴァイにビクッと肩を震わせた。

ﾘｳﾞｧｲ｢なあエレン、俺を憎んでいるか？」

ｴﾚﾝ「い、いえ…

必要な演出として理解してます…！」

怯えた様子で答えた

とそこでずっと窓の外をみていたAが急に口を挟んだ

『……さすがに限度があるでしょ…』

ﾊﾝｼﾞ｢そうそう、歯が折れちゃったんだよ？」

ハンジはハンカチに包んだ折れたエレンの奥歯を見せる

咄嗟に嫌な顔をするリヴァイ

ﾘｳﾞｧｲ｢拾うな…気持ち悪い」

ﾊﾝｼﾞ｢まぁでも仕方ないか

直前に嫌なことがあったからね

つまりエレン、君はやつあたりされたんだよ｣

『嫌な事って？』

ﾘｳﾞｧｲ｢おいハンジ｣

リヴァイの静止の声を無視してハンジは続けた

ﾊﾝｼﾞ｢もちろんAが巨人の味方だとかなんとかって言われたことだよ

いやー隣にいてビビるくらい殺気立つからほんとに殺されるかと思ったよ～｣

ﾘｳﾞｧｲ｢今殺してやろうか？｣

ﾊﾝｼﾞ｢あれ、これ言っちゃダメだった？｣

『ふふふ』

その様子を見て呆然とするエレン

ｴﾚﾝ(Aが笑ってる…)

ｴﾚﾝ｢A…｣

エレンが声をかけると今まで天使のような笑顔で笑っていたAの顔が一気に曇る

『なに？』

ｴﾚﾝ｢話したいことがあるんだ｣

『私にはない』

ｴﾚﾝ｢辛いことがあったのかもしれない

けど俺に話してくれよ。昔みたいに｣

『もう私の中に昔の私を探すのはやめて

昔の私はもう死んだの

いや、殺されたの』

Aは出ていった

ﾘｳﾞｧｲ｢ふん

だいぶ嫌われてんな｣

ｴﾚﾝ｢みたいですね…｣

ため息をついてあからさまに落ち込むエレン

ﾊﾝｼﾞ｢なになに、Aのこと好きなの？｣

ｴﾚﾝ｢は、はぁ！？な、何言ってるんですか!!｣

ﾊﾝｼﾞ｢まぁでもAを落とすのは大変だと思うよ？

その前に大きな壁があるからね…｣

ちらっとリヴァイのことを見るハンジ

ﾘｳﾞｧｲ｢なんだ？｣

ｴﾚﾝ｢い、いえ、なんでもありません!!｣

入団して初日にリヴァイの恐ろしさを知ったエレンだった