暖かい手をさしのべて《○○○》 (ページ14)

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お母さんが死んだ

私のせいで

私が絵本なんて言わなければ…

ｴﾚﾝ｢もう少しで母さんを助けられそうだったのに！！｣

エレンの声ではっと我に返った

ﾊﾝﾈｽ｢いい加減にしろ！！｣

ハンネスさんがエレンを投げ飛ばした

ﾊﾝﾈｽ｢お前が母さんを助けられなかったのはお前に力がなかったからだ

俺が巨人に立ち向かえなかったのは俺に勇気がなかったからだ｣

ハンネスさんは泣いている
エレンも泣いている

『エレン…私…』

ｴﾚﾝ｢ごめんな、Aも辛いよな。頼りない兄貴でごめんな

守ってやれなくてごめんな｣

いつものように頭に手を置いてくれるエレン

だがその手にはいつもの暖かさはなかった

ﾐｶｻ｢A、大丈夫？｣

やめて

やめて

私にそんな優しい言葉をかけられる資格なんてない

ﾐｶｻ｢A、とりあえず今は早く逃げないと｣

ｴﾚﾝ｢ほら、A｣

片方の手をミカサが、もう片方の手をエレンが握ってくれる

『やめて…』

ｴﾚﾝ｢え？｣

『私に触らないで！！

私に優しくしないで！！』

2人の手を振りほどき無我夢中で走った

エレン｢おい、A！！どこ行くんだよ！！

そっちは巨人がいっぱいいるんだぞ！？｣

ﾊﾝﾈｽ｢Aは俺が探すからお前らは早く港にいけ｣

ｴﾚﾝ｢でも…｣

ﾊﾝﾈｽ｢早く！！｣

＜誰か助けて…＞

＜嫌だ…食べられたくない…うわぁぁぁぁぁぁ＞

街の人の声がやまない

悲鳴、泣き声が頭の中でガンガン響く

頭が痛い

でもそんなのはどうでもいい

私のせいでお母さんが死んだ

私がエレンから、ミカサから、お母さんを奪ったんだ

目の前から巨人が近付いてくる

兵｢君！！早く逃げなさい！！｣

駐屯兵団の紋章を背中に背負った兵士さんだ

『やめて…私に守られる資格なんてない…』

兵｢早く逃げなさい!!ここは俺が…

うわぁぁぁぁぁぁ｣

兵士さんが食べられた

また私のせいで人が死んだ

私のせい

私のせい

私のせい

『でもやっぱりお前らが悪い』