某探偵社員、宮城へ。2

任務６１ ページ29

.






『すみません先生、至急部員を集めて貰えますか』




急いで体育館に入れば、その中はいつも一番乗りの及川さんがいないと軽く騒ぎになっていた。




同時刻入ってきた溝口くんに部員を収集してもらい、私は職員室まで監督を呼びに行き、体育館に全員集めた。




「おいA、話ってなんだよ。まだ全員集まってねえぞ？あとは及川だけだ」




話がある、と部員たちを集め、初めに声を上げたのは岩泉さんだった。





『その、及川さんについてなんですが──────』









「「拉致られたっ！？」」




『はい。及川さんが今ここにいない理由は以上です。これから及川さんの救助に向かいますので、皆さんは練習していてください』




まだ状況を上手く呑み込めていない皆にそう言い、体育館を出ようとしたところ。





「この状況で練習なんて出来ねえ。俺も行く」




花巻さんが立ち上がりそう言い放った。




『…危険です、やめてください』




「仲間の窮地に、俺はいつも通り練習なんて出来ねぇ！！！」




「俺も行く」




「ああ、花言う通りだ、俺も」




花巻さんが引き金となり、松川さん、岩泉さんと続いて立ち上がった。




他の人も行きたそうに、でも言い出せないような表情で私を見つめる。





…どんだけいいチームなんだか。





はあ、とため息をついて、私はある人へと電話をかける。









.









.









.









『…ん、ああ、谷崎くん？ちょっと手伝って欲しいんだけど、今から青葉城西高校来れる？』

任務６２→←任務６０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す