3話 ーシェアハウス- ページ4
「(なまえ)ちゃん、着いたよー!」
そう言われ前を向くと、そこにあったのはこれまで住んでいた家の3倍はあろうかという大きなアパートだった。
流石に不破さん一人で住むのには広すぎるのではないか……。いや、でも不破さんなら、一人で優雅に暮らしてそうな気も……
『ここが…』
「そう!まぁ俺の友達と暮らしてるんだけどね」
でも部屋は結構広いんだよ?と一言。
やっぱり一人じゃなかった、よかった、と安堵している私に気づいているのかいないのか、不破さんはニコニコと私を見つめている。
「結構沢山の人と一緒に住んでるんだけど、まぁ皆面白い奴らだし大丈夫!(なまえ)ちゃんなら大歓迎されると思うよ」
『そうですかね…?』
そんな事を話しながら、不破さんは玄関のドアを開ける。
すると、丁度外に出ようとしていたらさしい男の人とばったり鉢合わせた。
「あー、ふわっち帰ってきた!」
癖毛に赤メッシュの男の人は笑みを浮かべる。
と、不破さんの後ろに隠れるように立っている私に目を移す。明らかに、驚いたように目を見開いた彼は顔に出やすいタイプなのだろうか。
「あー、この子はねぇ」
不破さんが最後まで喋りきる前に赤メッシュの彼が口を挟んだ。
「ふわっちとうとう…こんな可愛い子を誘拐してきたの…!?どどどどういう事ですかねぇ!?」
これには海よりも深く山よりも深い訳がありまして、と小言を挟む不破さんを鬼のような形相で引きずり、2人はどこかへ行ってしまった。
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作者名:七瀬 | 作成日時:2022年1月6日 14時