【2434】シェアハウスしたら皆に愛された件＿＿。 (ページ2)

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1話　-助けてくれた彼- ページ2

私の家での居場所は無かった。

父も母も私の事を避けるし、優等生の妹とも比べられ、親戚も誰一人私の事を気にかけてもくれなかった。

私が家を出たって家族は誰一人捜そうとも思わないだろう。逆に、邪魔者が居なくなって喜ぶかもしれない。
私は家出する事に決めた。
もうこれからは一人で生きてやる！

と意気込んだものの……

『これからどうしよう…』
家を出たはいいが、持っているのはスマホだけ。他に身よりもないし本格的にヤバくなってきた。

｢何か困ってる？｣
『へっ…！？』
急に声をかけられ、ビクッとなる。
声をかけてくれたのは、銀髪に紫と桃色メッシュの男の人だ。微かにお酒の匂いがする。

『えっと……』
｢あ、何か一人でウロウロしてたから…。女の子がこんな夜中に一人でいるなんて絶対なんかあるじゃん？｣
話なら聞くよ、と優しく言う彼は、どこかお兄ちゃんのような雰囲気だった。
｢とりあえずどっか入ろっか。｣
彼の誘いに素直に頷き、近くの喫茶店に入った。

｢ご注文はお決まりでしょうか｣
｢えーっと、コーヒー二つで!普通の｣
よろしくお願いしまーすとニコニコ笑顔を見せる彼。
｢で、何があったの？｣
『それは…』

｢うーん、ナルホドねぇ…｣
真剣な表情で何かを考えている彼。
とその時、閉店を知らせるアナウンスが鳴った。時計の針は、とっくに夜中0時をまわっていた。