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「ですから、本当に何もされてないんですよ」
苦笑を浮かべる私に尚も太宰さんは諦めない。
さらに手首を掴む手を強くして質問を続ける。
「んー?じゃあ何であの時顔を赤くしてたんだい?」
「そ、れは」
今日の太宰さんはおかしい。いや、いつもおかしいけど。
太宰さんの瞳にはほんの少しだけ焦りの色が見えた。
この人は、一体何に焦っているのだろう…
「太宰さん。何か不安があるんですか?」
「不安…?____独占欲だよ。私のAが他の男にベタベタされてたら、怒るものだろう?」
当たり前のように発せられた言葉。
独占欲…?あの太宰さんが私に?
理解したと同時に顔に熱が集まった。
「わ、わっ…見ないでください!!あっち向け!!」
押さえられている手を必死に動かせども、太宰さんの腕からは抜けられない。
その間にも熱は集まっていき、私はただ口をパクパクする事しかできなかった。
「照れてるの…?」
「は、はぁ!?照れてないし!!」
ギャル語っぽくなったけど、今はそんな事どうでもいい。
私が照れてると気づいた太宰さんはニヤリと笑って私の目をまじまじと見つめてきた。
逸らそうとするけど、なぜか出来ない。
と、その時
「はぁ…盗み聞きは良くないんじゃないかなぁ?_____中也」
「え、どこに話して____」
その後の言葉を言うことは出来なかった。
理由は簡単。太宰さんが私にキスをしたから。
本日2回目のキス。そしてセカンドキス。
あっけなく奪われたぁああああ…!!
なんだ!?最近はキスが流行ってるのか!?
『チッ…手前、いつから気づいていやがった』
どこからか聞こえた中原さんの声。
しかし、太宰さんが一向に口を離さない。
『おい手前…いつまでキスしてやがんだぁ?』
刹那、バキッという音が聞こえる。
「ふふふっ。中也にゃんは嫉妬してるのかにゃぁ?」
『てめっ…!そこで待っていやがれ!殺してやる!』
やっと口が離れたことに一息つく。
あれ、何か…キス慣れてる女みたいになってる
というか、
「あの、中原さんは一体どこから話してるんですか?」
周りをキョロキョロと見渡すも、いるのは女子、女子、女子……女子っ
なぜこんなにも女子が多いんだ…。
少し会話に耳を傾けてみると
「ちょっ、やばくない!?」「あの男の人イケメンすぎるぅ!!」
…………太宰さぁあああああんんん!?!?
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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年1月30日 1時