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「はな、して…！」
腰に回された手を両手で引っ張る。
なぜ離れない…！？
「なぁ…探偵社に戻りてぇか？」
「……は？」
急な問いかけに頭が追いつかない。
探偵社…？戻っていいの？
私の様子を嘲笑うように、耳元に吐息が掛けられ思わず変な声が出た。
恐らく私の肩に中原さんが顎を乗せているのだろう。
「戻れるのなら戻りたいです」
そりゃあ、戻れるならこんなにも困ってはいないだろう。
「別にいいぜ。＿＿＿＿最後には俺の元に戻ってくるからな」
「…っ」
私が最後には中原さんの元に戻る？
冗談じゃない。そんな事ありえない。
「……行けよ。出口はアッチだ」
「……っ！」
腕から抜けて指さされた方へと全力で走った。
だんだん明るくなってきたところで、目の前に人影が見えた。
「Aっ！心配したよ、何かされたのかい？」
それはだんだん見覚えのあるシルエットになった。
この声は、太宰さんだ。
「だざ、いさんっ…戻りましょう！早く！探偵社に今すぐ行かなきゃ！」
「落ち着け！」
「ひっ」
ガシッと肩を掴まれて我にかえる。
どうしよう…心臓が痛い。怖い
「あの、どうしよう…心臓が、痛いっ」
こんなの初めてだ。頭がぐるぐるして気持ち悪い。
脳裏を横切るのは中原さんの顔…
「とにかくここから出よう」
太宰さんの大きな手が私の手を包み込んだ。
……温かい
きゅっと存在を確かめるように握れば、太宰さんも優しく握り返してくれた。
「太宰さん…その、ありがとうございます」
大きなビルから出て少しのところ。
だんだんすれ違う人が増えてきた。
「……やだなぁ。君は今の状況が分かってるのかい？」
え、と小さく答える前に凄い力で引っ張られた。
「うっ…!」
強い衝撃と共に痛みが走り、頭や背中が悲鳴を上げた。
どうやら壁に叩きつけられたようだ。
痛みに耐えながら目を開けば目の前には太宰さんがいた。
それも、なんだか怒ったような目で私の横の壁に手をつく。
これは、世にいう壁ドンというやつ。
周りからほんの少しだけ黄色い歓声が聞こえた。
「…中也の匂いがする。どこ触られたの？」
「いや、あの…！」
「…どこ触られたか聞いてるんだけど？」
目の前の太宰さんは笑っているようで、笑っていない。
口元にあるその笑みは、まるでこの状況を楽しんでいるかのようだった。
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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです！素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (
レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました！泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀｀)-３ (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます！！ (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます！！ (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´；ω；｀)ﾌﾞﾜｯありがとうございます！続編の方も頑張りますので！(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘありがとうございました！！ (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天さん | 作者ホームページ：http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時：2017年1月30日 1時
