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最終話 ページ37

「これ、って…チョー…カー?」




入っていたのは綺麗な黒いチョーカー。
よく見れば中也とお揃いだった。





「いや、その…利用するためにあげたチョーカーより、ちゃんとプレゼントした物の方がいいよなァって…」




照れくさそうに花束で顔を隠す中也。
隙間から見える中也の耳は真っ赤で、私まで照れる。





「私、捨てられたと…思ってた。朝見たらチョーカーないし、お見舞いにも来てないって」





「はァ!?俺はちゃんと来たぜ!?太宰の野郎が一日中いやがるから、仕方なく夜に忍び込んでたけどな」




不法侵入じゃないですか…





「ふふっ…」




「ンだよ……おい?何顔隠してんだよ」





なんだか笑いがこみ上げてくる。
シーツで顔を隠すが、中也が無理やりシーツを剥ぎ取ってきた。




すぐ近くに中也の顔があり、カチンと体が固まる。
それは中也も同じだったようでしばらく見つめあった後、突然中也が倒れ込んできた。





「え!?どうしたの!?」




中也の体を支えきれずにそのまま後ろに倒れる。
私、怪我人…




「やっと笑った…」




耳元で呟かれた言葉。
地味に吐息がかかってくすぐったい。





「…わかったから降りろぉおお!!怪我人ですよ!?」





「知るか」





痛い、痛いよ!傷口開いちゃう!




バシバシと中也の背中を叩けば、眉間にシワを寄せながら起き上がった。






「なぁ。花束、受け取ってくれるか?」





私の顔の横に置かれてある花から甘い匂いが漂う。
ヒヤシンス。変わらぬ愛…。


目の前の中也の瞳は不安の色で揺れていた。


バカだなぁ。中也は。









「もちろんだよ。中也」





私の気持ちは二年前と同じだよ。





中也の頬に手を添える。
男にしては色白の肌が徐々に赤く染まっていく。





「Aっ」





「うおっ」




再び抱きついてきた中也。
私も遠慮がちに背中に手を回す。
久しぶりの暖かさに頬が緩んだ。






「おかえり。中也」






「…ただいま。A」







優しく抱きしめる中也の頬にキスをする。







「なっ…!?」







この時に照れた顔は私だけのもの。









この先も…ね?









〜fin〜

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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819  
作成日時:2017年1月30日 1時

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