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中也side
チョーカーをまだ着けていたAは、二年前のあの日とはまるで別人だった。
変えてしまったのは俺のせいだろう。
でも俺がAと話してるのを知られたら、Aが危ねェ。
離れようと思ったが既に遅かった。
キラリと光るものが見えたのだ。
俺は内心笑った。なンだよ。初めからAが来る事分かってたって事かよ?
Aの斜め後ろにスナイパーがいる。
狙われていると悟った俺は、Aが通り過ぎようとした時に手を掴んだ。
これで大丈夫。最悪俺がコイツを抱きしめてればコイツには傷一つつかねェ。
けど、
___そんな甘いもンじゃなかった。
目の前で倒れていくのは誰だ?
この血は誰のものだ?
頭では分かってるのに体が思うように動かない。
やっとの事で動いた時には、Aは地面に倒れる寸前だった。
「……Aッ!!」
急いで傷口に手を当てる。
しかし血は止まらずどんどん溢れ出てくる。
どうすれば、こんな時はどうすればいい?
「ちゅ、うや…」
「喋んなッ傷口が開いちまう!」
傷口を押さえる俺の手にAの手が重なる。
その手は尋常じゃないほどに熱い。
「私、ずっと、こうか、い…してた、の」
か細い声は少しでも油断したら聞き逃しそうだった。
「でも、ちゅ、やの…こと、好きにな、れて……よか…た」
ニコリと、変わらぬ笑顔でAは涙を流した。
「おかえ、り…って、いい忘れ、てた」
あの日の約束…
まだ覚えてたのかよ
「頼むから、死ぬなッ。糞ッどうすればいい?まずは、病院に連れてかねェと…」
だんだん冷たくなっていくAの体を抱き上げる。
間に合ってくれ…
俺だって、ただいまって言えてねェんだよ。
約束、しただろ?
振動を与えぬよう慎重に病院まで走った。
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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年1月30日 1時