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「まってここどこ」
目が覚めてから約1分後。正常に働き出した脳が導いた言葉。
ここどこ。
使い物にならなさ過ぎる脳を私は今日からポンコツと呼ぶことにする。
「あれ…武装探偵社に向かってたよね。あれ?」
と、とりあえず周りを確認。
右…壁。
左…壁。
前…鉄格子。
後…壁。
「…え、まさか牢屋?」
嘘だろ…?
知らない間に女の人に痴漢をしたというのか…!?それか裸で街中を走り回ったか。
いずれにしても私は変態ということか。
「なんか、息苦しぃ…」
さっきから思ってたけど喉になんかあるんだよね。
指先でチョンと触れると、細い何かがあたった。
「これ何」
生憎ここには鏡というものが無い。もちろん女子力なしの私が手鏡を持っているということもなく、これが何だか見ることが出来ない。
しばらく触っていたらコツコツと靴の音が聞こえてきた。
それはだんだんコチラに近づいてくる。
「よぉ」
「あ、……思い出したわ」
暗くて顔が確認出来ないけど、この声には聞き覚えがある。それもつい先程のことだ。
「誘拐犯め。ここから出してよ!」
せめてこの鉄格子さえどうにかできれば逃げれる。ラッキーな事に手枷も足枷もない。
ピタリと足音が止まった。
「人聞き悪い事言ってんじゃねぇよ」
「あんたさぁ、私の首に何つけたの?」
首とそれの間に指を滑り込ませて引っ張ってみるが全くちぎれない。
なんだか、まるで首輪みたいで気味が悪いったらありゃしない。
「あぁ。俺からのプレゼントだよ」
頭上から愉快そうな声が降ってくる。
そういえば男の顔をまだ見てなかった。
声しか聞いてないけど、顔はどうなっているんだろうか。
「プレゼント…?」
「チョーカーだ。それも簡単には取れないやつ」
チョーカー?
チョーカーって、あの流行りの首に付けてるやつ?
あれかよ…!!やっぱ首輪にしか思えないよ!!
もう一度引きちぎろうと試みるが体力の無駄だった。
「首輪みたいだなぁ。やべぇ、ゾクゾクする」
「誰か助けて」
コイツはただの変態だったようだ。
一般市民を誘拐し、チョーカーを付けて監 禁。
誰のせいでこんな事になったんだ……
太宰さんのせいだ…すべてはあの包帯無駄遣い装置のせいだぁああああああ!!!
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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年1月30日 1時