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今日から入社する武装探偵社へと向かっていた私。
「ここどこだよ…」
見事に迷いました。
だいたい路地裏に入ったのが悪かったんだ。誰だよ近道だとか言ったヤツ。
「…騙しやがったな包帯無駄遣い装置」
頭に浮かんだ顔はにぱぁっと笑う太宰治の顔だった。
そしてその怒りを込めて壁を殴ったが返ってきたきたのは静寂と痛みだけ。
最悪…
諦めて携帯を取り出すと___
「捕まえたぜ」
「ひっ!」
背後から急に抱きしめられ耳元で吐息混じりに囁かれる。
全身を鳥肌が駆け巡り持っていた携帯が手から滑り落ち、何度も回転を繰り返して滑ってやがてゴミ箱に激突した。
「ポートマフィアまで着いてこい」
ポートマフィア…?敵組織じゃん!
抜け出そうと試みるがさすが男の人。ビクともしない。
首元とお腹あたりに回された腕がいっそう強くなるだけだった。
「あ、貴方誰ですか。何の目的ですか」
私は異能力持ってない一般市民なんですよ。
武装探偵社には恩があって働くだけで…ポートマフィアに連れ去られる意味がわからない。
「太宰のお気に入りって聞いたんだよ。ソイツが奪われたら…太宰の野郎はさぞ悔しがるだろうなぁ?最高の嫌がらせだぜ」
男はクツクツと愉快そうに笑う。
まてまて。それってただのとばっちりじゃん。
あんの包帯無駄遣い装置がっ!
やはりにぱぁっと笑う太宰治に頭の中で拳をお見舞してやったわ!
「はあ…私これから探偵社に行かなきゃなんですよ。ですから離してください」
あのね、男の人と話すのさえ難しい私が抱きつかれたとなるとどうなると思う?
心臓が潰れそうなんだよ。冷静だけど心臓が五月蝿いんだよ。
「断る」
「ふざけないっ……んっ」
突然口元を何かが覆った。肌触りがいいこれはハンカチか何かだろう。
そこから香る独特な甘さに頭がクラクラした。
やがて膝に力が入らなくなり崩れるように私の意識が飛んだ。
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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年1月30日 1時