１０.返礼 ページ43
-am.5:34-
大きなインターホンの音で目が覚めた。
鳴り続けるその爆音に眠気が一気に冴えて、睡眠を邪魔された怒りに身を任せながら玄関を開けた。
「こんな朝早くからなん」
zm「ちっーす！！ちすちす！！」
「…ゾムさんが居た気がするけど気のせいか」
zm「ちょ、おるで！？ここに！閉めんなや！！」
ゾムさんの幻影が見えた気がしたが、気のせいだと思い込んで、玄関のドアを閉めようとしたら、ゾムさんらしき人がドアに足を挟んで閉められなくなった。ヤクザの取り立てとかであるやつ。
そこで漸く、視界がクリアになり、目の前の人物がゾムさんであることを理解した。
「ゾムさん朝苦手なのに、こんな時間にどうしたんですか？」
zm「ん」
ゾムさんが右手を私の目の前に差し出したかと思うと、しゅるしゅると光沢の衣がついた細長い生き物がゾムさんの腕に巻きついた。私はその生き物と目がかちあった。
「ひっ」
zm「プレゼント！一人暮らしで寂しい暮らしをしとるAにペットとしてこの蛇あげるから飼ってや！」
「ど、どうしたんですか、この立派な蛇…」
zm「仕事先でたまたま見つけてん！」
ゾムさんの腕に巻きついた蛇が舌を出し、私を威嚇する。
もしかしたらペットとしてこの蛇を飼えば、心寂しさは無くなるかもしれない。う、うーん、どうしたものか。
zm「ってのはまあ嘘で」
「今の私が悩んだ時間返して」
zm「ほい」
「これ、って…」
zm「サバイバルナイフ。護身用としてひとつくらい持っといて損はないやろ」
「貰っていいんですか？」
zm「おん！お前もこれからそーゆー仕事増えるやろし、こっちがほんまのプレゼント」
右手を引っ込めた代わりに、反対の手で渡されたのはゾムさんが持っているものとそっくりのサバイバルナイフ。ゾムさんは個人的にこういう武器を所持しているようだが、私は何も持っていなかったのでとてもありがたい。
懐にでもしまっておこう。
それにしても、なんで突然プレゼントなんかを？
私はその質問を投げかけようと口を開いたら、
それはゾムさんに遮られた。
zm「じゃ、またな！」
「え！？あ、ちょ！ゾムさーん！！」
私が呼び止めても、彼はひょいとアパートの二階から飛び降り、走り去ってしまった。
すっかり目も覚めてしまったので、支度でもするかと部屋に戻った。
…蛇のことが少し気になってたのは内緒。
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まちや。(プロフ) - ディスペアさん» ハッ！確かに仰るとおりでした！！こっそり直させていただきました、ご指摘ありがとうございました！ (2020年3月22日 23時) (
レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
ディスペア(プロフ) - ちなみに、ページ47です (2020年3月21日 22時) (レス) id: 5646c995e2 (このIDを非表示/違反報告)
ディスペア(プロフ) - 続編更新を毎日楽しみにしてます！ところでホワイトデーって14日じゃなかったでしょうか？間違ってたらすいません(ーー; (2020年3月21日 22時) (レス) id: 5646c995e2 (このIDを非表示/違反報告)
まちや。(プロフ) - レッ狐さん» 更新多くてうるさかったらすいません！続編でもよろしくお願いしますー！温かいお言葉とても励みになります(＞人＜;) (2019年4月22日 19時) (レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
レッ狐(プロフ) - 一気に更新されてて凄くびっくりしました!いつも更新お疲れ様です!続編も楽しみです。無理せず頑張ってください! (2019年4月21日 18時) (レス) id: d533e84903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちや | 作成日時：2019年3月23日 21時
