エピローグ ページ33
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「よお、A昨日ぶりだな」
手を合わせたあと、顔をあげる。
遠くで大先生が花の水やりをしているのが見える。
「……お前の花畑にお前の墓を作ったこと、怒ってるか?…すまんな、他にいい場所がなかったんや。
でもお前はここで眠るべきだと思うんだ」
そんな墓の前にはお菓子やら写真やら、沢山のものが供えられている。きっとあいつがこれを供えたんだな、なんてのがよく分かる。うちの幹部はなんせ個性が飛び抜けているからな。
「俺からは、この本を。
お前に読んで欲しくて持ってきた。
まあ俺の日記みたいなもんだ。暇つぶしにでも読んでくれ。
……ああ、途中に挟んであるこの花は、ちゃんと毒は抜いてあるから安心しろ。もうだれが触れても死にはしない。
この世でもうたった一輪の花だ」
そう言い、俺はこの本を墓に置いた。
そして懐から黒い便箋を取り出した。
「………なあこれ、ひとりひとりに書いたのか?
だとしたら、いつからこんな手紙を書いていた、やはりお前はあの戦争で死ぬつもりやったんやな。
…俺はこの手紙を読んでも気が変わらない。お前には生きていて欲しかった。
すまんな、こんな未練たらしばかりの男で」
するとサァッと風が吹き抜け、暖かい風と花びらが
俺の頰を撫でる。
まるでAが俺に微笑みかけているようで
俺は思わず顔を綻ばせた。
「…はは、悪い。こんなことを言いにきたんじゃなかったんや。
今日で戦争は終わりを迎えた。
_____なあ、最後に俺たちが好きだった
〈笑顔〉を見せてくれ」
end
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まちや。(プロフ) - Yuik111400さん» うわあ!素敵なお言葉ありがとうございます!!そう思ってもらえてなにより嬉しいです!! (2019年4月21日 11時) (レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
Yuik111400(プロフ) - あれぇ?視界がボヤけてる...この作品凄くよかったです。声を殺して泣きました。こんな素敵な作品に出会えてよかったです。ありがとうございます! (2019年4月20日 0時) (レス) id: d5c9d61335 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちや | 作成日時:2019年2月3日 6時