page12 ページ13
.
先程、ロボロからの連絡によると、ゾムとコネシマと城に帰ってくる様子が見えたから、そろそろ来るんやない？、とのこと。
彼女に会うのは数日ぶりだが、彼女直々に城に来るのは初めてだ。
胸を高鳴らせていると、ノックの音がした。
「Aです、遅れてすいません。グルくんいますか？」
「うむ、入れ」
「失礼します！……グルくん！あ、マンくんも！」
重い扉が開かれると、そこには待望していたAがいた。
Aはぺこりとお辞儀をした後、俺たちの近くへとやってきた。俺が「座れ」と言うと「はあい」と返事をし、近くのソファに腰掛けた。
「Aちゃんが来るから、Aちゃんの好きなケーキ、取り寄せたで〜」
「ありがとう、マンちゃん」
机に並べられた、洋菓子やら和菓子やらの甘いもの。それに加えて、コポコポ、と注げられた鼻を擽る紅茶の匂い。全てオスマンが彼女のために、と前日から仕入れたらしい。
「どうする？何なら世間話からするか？わざわざAから出向いてくれることなんてないからな」
のんびりと話し合おうじゃないか。
そう、俺が提案したら、Aは
静かに首を振った。
「ううん、今日中には帰るつもりだから本題から話そう？」
「なんだ、数日くらいここに居ればいいのに」
「まあ、話を聞いてよ」
一口、ケーキを口の中に入れたかと思ったら、
懐から瓶のようなものを取り出す。
俺は不思議にその瓶を取る。
これは？とオスマンが問う。
「この前の隣国のお土産に入っていた毒。全部取り除いて調べてみた結果が分かったから報告しにきたの」
「随分と仕事が早いな。何故今回だけこちらに出向いたんだ？」
「それも含めて、全部話す。………マンちゃん、ごめん、少しの間だけ席立ってもらえる？」
「………わかっためう〜」
彼女の真剣な顔つきに空気が変わった。
オスマンは席を立ち、俺は再び彼女と向き合う。
「それで？」
「＿＿＿＿うん、あのね」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まちや。(プロフ) - Yuik111400さん» うわあ！素敵なお言葉ありがとうございます！！そう思ってもらえてなにより嬉しいです！！ (2019年4月21日 11時) (
レス) id: e16223c2be (このIDを非表示/違反報告)
Yuik111400(プロフ) - あれぇ？視界がボヤけてる...この作品凄くよかったです。声を殺して泣きました。こんな素敵な作品に出会えてよかったです。ありがとうございます！ (2019年4月20日 0時) (レス) id: d5c9d61335 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まちや | 作成日時：2019年2月3日 6時
