こういう問題じゃない【忍たま乱太郎】

昔昔 ページ40

山田伝蔵side







「わーっ

流石京都！観光に来た着物がいっぱいだ！！」







「なんの下見に来てるんですかあなたは」







そろそろ暑さが厳しくなってきた7月の連休。
私たちは、また学園長先生の突然の思いつきによる修学旅行の下見として京都に来ている。







「晴先生はいつもあんな感じなのですか？」







「そうだよ、利吉くん。たぶん一日で慣れるよ。」







私の息子も一緒に。

ちょうど出かけようとすると、仕事を終えた利吉と遭遇。話を聞くなり、明日は休みだから同行すると自分で決めて着いてきた。







「あ、八つ橋！！！」







「お土産頼まれてそうですね」







「利吉くんよく分かりましたね！

勘右衛門くんと三郎くんからお土産を頼まれてます！兵助くんからは豆腐を！」







それはパシられているのでは、そう思ったが、今は言わないのが優しさになるだろう。







「…はは」







「？…どうしたんですか、土井先生」







「いえ、安倍先生を見ていると昔、山田一家との旅行で出会った迷子ちゃん思い出したんです」







「あー…なんかいましたね、そういえば」







何年くらい前だろうか。私たち二人が教師として、初めての休みだった。

利吉の誕生日お祝いとして、みんなで京都へ旅行へ来ていたのだ。








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「やっぱり、初めての土地ってワクワクしますね父上！」







「利吉、あまりはしゃぎすきで逸れるんじゃないぞ」







「それなら利吉くん、私と手を繋いでおこうか」







「はい！」







まるで兄弟のような二人に、私も妻も笑みが零れる。







＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ﾄﾞﾝｯ







「あてっ……すまない。」







「ウヒィ！！あわわわわｯ」







軽く肩がぶつかってしまい、一声かけるが怯えた様子。







「な、なんでそんなに怯えて…」







「あなたツリ目ですものね…」







「カツアゲされると思ったのでは？」







「父上…」







「私が！？」







「ヒェッ！？銭は出すので命だけはご勘弁を！！」







「私を悪者みたいにするんじゃない！！！」







これは、厄介な人と出会ってしまった。

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