そういう問題じゃない【忍たま乱太郎】

得意 ページ10

晴side







「安倍先生、隣で見てますか？」







「お願いします…」







山田先生の隣なら安全かな。いざと言う時は手で取ってもらおう。手で取れるものか知らないけど。







「あ、安倍先生そっち行きました！」







「またか」







真横を過ぎる手裏剣。この子達が方向音痴なのか、私の運がないのか。







「辛み…」







「まさか不運を体質に持つ人が増えるなんて…」







「山田先生…それ褒めてませんよね…」







私は別に、特別不運な訳では無い。物当たりが悪いだけ。と信じている。







「…山田先生は真っ直ぐ跳ぶんですか？」







「手裏剣を跳ぶと言う人は初めてです。初めての人でも投げると言うと思いますよ。安倍先生、手裏剣は打つと言うんです。








まぁコレでも先生ですからね。生徒の見本になる者ですから。」







プチ講座を加え、山田先生は教師らしい一面を見せてくれた。







「へぇ…！他にも得意なことってあるんですか？」







「そうだなぁ…女装も一つの特技かな」







「「………えっ」」







「わぁ！是非見たいです！！」







「「安倍先生ｪｪｴｴ！？」」







「ふむ、そこまで言われちゃあ私もやらないなんて言えないからな。

よし、少し待っていなさい。」







「はい！」







楽しみだねと言おうとすれば、は組の子達の表情は私とまるで真逆。顔を青くし、首を振っていた。







「あ、安倍先生…山田先生の女装はっ…」







「…あ、私皆のこと名前だし、私のことも名前でいいんだよ」







「言ってる場合じゃないっスよ！？！？」







「わぁ〜い晴先生〜！」







「「喜三太！！！」」







「あはは、喜三太くーん」







「「晴先生も！！

今はそれどころじゃない…！！！」」







ちゃっかり名前で呼びながら、どうしようとどよめくは組。私は知らずに？を頭に浮かべるだけだった。

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