そういう問題じゃない【忍たま乱太郎】

立場 ページ8

山田伝蔵side







翌朝、五年ろ組からは和気あいあいとした声が聞こえた。土井先生と静かに覗けば、







「すみません。反省してます…」







ろ組の鉢屋三郎の前で正座させられる安倍先生が。
土井先生と一緒にため息をつく。







「何をなさっているんですか安倍先生」







「土井先生…あ、山田先生も」







安倍先生を連れて、私たちの部屋へ。
土井先生は安倍先生に対し、生徒に舐められていると説教を始めた。

私はその様子を思わず苦笑いで見ていた。







「まったく…どこの世界に生徒に叱られて正座させられる先生がいるんですか」







「私もそんな先生がいることと、その先生が自分であることに驚いています」







「とにかく、もっと先生としての自覚を持って！！生徒達…特に鉢屋三郎にヘコヘコし過ぎない！

もっと厳しく！！」







「え〜〜ｯでも…でも……鉢屋くんに今度怒らせたら、授業中廊下に立たせるって言われちゃったし」







「あーもう…バカ！！」







「ド…ド直球で来ましたね…」







「なんていうか、もうその言葉しか出てきませんでしたよ…」







「まぁまぁ土井先生、その辺にしときなさい」







「山田先生…！！」







「とは言っても、安倍先生のビビリヘタレっぷりは何とかしないと」







「それなら、私の授業に見学したらどうだろう。

安倍先生は元侍所だろう？実技を見れば、昔の感覚で少しは楽しめるんじゃないか？」







「良いんですか！？」







「安倍先生の持ち時間が無い時に来てくださいね」







安倍先生はありがとうございますとルンルンで部屋を出る。







「山田先生…よりによって貴方の授業ですか…」







「何か問題でも？」







「いえ、安倍先生は教科担任ですよ。実技の授業見ても、何の為にも…」







「身につけ、為になる、なんて思ってませんよ。

ただ、自分もこれだけのことをして、生徒に精一杯教えてあげてくれないかなと考えてるんです。

将来、安倍先生のようにならないように。」






「山田先生、最後のは可哀想です」







「あれ…？」

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