そういう問題じゃない【忍たま乱太郎】

女装 ページ11

晴side







私は、どこで失敗したのだろうか。







「あらヤダ安倍先生ってば、お顔が真っ青じゃない！せっかく綺麗なお肌なのに〜」







そんな事を考える暇もなく、ツンと頬を突かれ、喉がヒュッと鳴る。







「山田先生は女装すると、それはもう女性扱いしなければならない…！！」







「だか、見た目が見た目だから…！」







すごい。山田先生の女装一つで生徒がこんなにも苦しんでいる。







「山田先生！も、もう大丈夫です！分かりましたから…！」







「もう！安倍先生ったら……私のことは、伝子とお、呼、び」







「ひぃ…やっぱり分かりたくない！！」







優しい先生はどこへいってしまった。あの土井先生のお説教から救ってくれた先生は何処へ。







「晴先生！

晴先生は本物の女性なんですよ？山田先…伝子さんにもう戻ってと説得して下さい！」







コソッと庄左ヱ門くんが耳打ちする。
確かに現況を作ってしまったのは私だ。







「くっ……覚悟しろ！は組の仇め！！」







「「勝手に殺さないでください！！！」」







＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ｽﾊﾟﾝｯ







「女性に対してそんな言葉遣い、いけないじゃないの！」







瞬殺のビンタ。
仮にも女装時でも、男は男。呆気なく飛ばされてしまった。







「まったく。私が女性の何たるかを教えるしかないわねぇ。」







「結構です！！！！」








伝子さんに追い詰められ、私の逃げ場はもう無いのか…と、諦めていた。







＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ｽﾞﾎﾞｯ







「馬鹿な」







一歩下がったすぐそこには落とし穴。
とっさに伝子さんの着物を掴んでしまい、共に穴の中へ。







「う…ぃたた…」







「まぁ、お着物が汚れちゃった…着替えないと…」







どうやら土で着物が汚れたらしく、伝子さんは姿を消し、は組が大丈夫ですかと駆け寄る。私を穴から救出してくれた。







「伝子さん、お着替えに……そのまま山田先生に戻ってると良いな…」







休み時間、山田伝蔵に戻った山田先生は、何度か謝ってくれた。







「すまない、女装するとつい我を忘れてしまって…」







「それはもはや才能では…」

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