佰陸拾弐 ページ10
「………三日月、俺は二人を探してくるからここから動かないでくれ。見つけたら戻ってくるから。」
「?…なんでだよ。一緒に探せば良いんじゃねぇのか?」
「ほら、煉獄さんたちとこうしているのも滅多にないから…楽しんでくれ」
「はぁ!?おい炭治郎!!!」
「(俺は長男だ…なのになんだこの情けない姿は。善逸にも呆れられるな…」
炭治郎は三人に背を向けると走り出す。
もちろん行方も決まってないし、善逸と伊之助がどこにいるかも分からない。善逸と決めた集合時間にしては早すぎる。
もう禰豆子のお土産を買って帰ろうか、なんて。
__________パシッ
「わっ」
すると、背後から取られた手に驚き足を止める。ギュッと握られた手は暖かく力強い。
そして捕まえた者は街中にも関わらず声を上げた。
「人の話は最後まで聞くんだぞ!!しのぶに言いつけてやろうか!!!
すっげー怒られるぞ!!!」
「三日月…」
逃がさない。
獲物を捕らえたような目力に炭治郎も反省した。さすがに身勝手だったと。
「兄貴と善逸とはぐれたけど、私は炭治郎といて楽しいぞ!炭治郎は楽しくなかったか!?」
「そんなことない!!けど…」
_____見ているのは耐えられなかった。
炭治郎は続きの言葉が出てこなかった。呆れられてしまう。見損なわれてしまう。
嫌なことが頭をよぎったからだ。
「!…炭治郎といる時は、炭治郎のことを考えればいいんだったよな」
「……え」
それは失敗した壁ドンで言ったことだった。
「煉獄が美味しいものたくさん食わせてくれたから、炭治郎のこと忘れてたかも。
ごめんな。」
「いや、謝るのは俺で…!というか、それは前の話で今はちがッ」
「今は炭治郎!しょーがねぇから、兄貴と善逸は見つけた時に遊ぶぞ!!
んー……もう飯はいいか。たくさん食ったし。
炭治郎はどこ行きたいんだ?」
「っ…三日月、あそこ見てみないか!」
繋がった手を握り返す。
小さなきっかけでもいい。少しでも、本当にわずかでもいい。
________俺は三日月が好きだ。
この気持ちが伝わって欲しい、なんて貪欲に考えた炭治郎だった。
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イチゴじゃむ(プロフ) - まゆゆさん» そ、そんな…!(*´-`*)テレルヤン…こちらこそ最後まで閲覧してくださりありがとうございます!!こちらもコメントをいただき幸せです!!(´;ω;`) (2021年3月29日 2時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆ(プロフ) - 幸せな気分になれる作品ありがとうございます♪ (2021年3月28日 2時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
イチゴじゃむ(プロフ) - レレリさん» 分かります笑笑語彙力のない作品ですが、改めまして閲覧ありがとうございます!!(^ω^) (2020年3月25日 12時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
レレリ(プロフ) - イチゴじゃむさん» まぁ、そうですね!言うて私18以下でもめちゃくちゃ見てました!笑← (2020年3月24日 22時) (レス) id: 16e8e317f9 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴじゃむ(プロフ) - レレリさん» ムフフ(´・∀・`)まあ注意なので読んではいけないなんて書いてないのでねェ!!!!(((ありがとうございます!!!笑笑頑張らせていただきます!!! (2020年3月24日 20時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴじゃむ | 作成日時:2020年2月19日 1時