魔王ですけどなにか？２【歌い手】

ついに登場？ ページ18

そらるside


本来敵対しているはずの人間と魔物。

いくら条約があったとしても、今、この状況

魔王と魔物、それから俺たち人間が同じこたつに入って

にぎやかに話しているのは本来ありえない


そう。ありえないはずなんだ。


でも、そんな中でも。

特にありえないのが今さっき聞こえた声

部屋の外。扉のすぐそばから聞こえた会話だ


いや。耳を疑ったね。ほんとに。

だってさ、「Aちゃんほんとに怒ってない？大丈夫？」

なんてことを、(おそらく)大魔王が言ってたんだよ？




うらた「今のって……」


志麻「あぁ。やっときたのか」


センラ「いやぁ……まだかかりそうですよ」


坂田「もしかしなくても、大魔王さまなん？」


A「違うね。あれはここに住み着いてるオヤバカって魔物よ」


まふまふ「え、そうなんですか？」


そらる「いや、違うだろ」




ナチュラルに嘘をつくAを、軽く見やる

いや、彼女にとっちゃそういう認識なのかも……

そうなると大魔王が不憫すぎる


俺たちがこたつでぬくぬく、のんびり話している外で

なおも続いているやりとり

声からするにluzとnqrseも一緒にいるようだ




luz「やから〜家出やなかったんやって！怒ってないよ！」


「ほんとに〜？」


luz「ほんと！ほんと！ね！nqrse！」


nqrse「うん。そうだね」


luz「ほらほら！やから大丈夫だって！」


「う〜ん……よし。わかった。行くぞ」




ようやく覚悟ができたのか

締りのある言い方になった大魔王


うん。そっちのほうが大魔王らしいや


来るかな？来るかな？扉を見つめていると

nqrseの一言で大魔王の決心が揺らいでしまった


なにを言ったかって？

この部屋に人間の男がいるってこと。

しかも四人。

どうやらうらたくんも人間としてカウントされているようだ

それがnqrseの意地悪だなんて、気づかないふりをしよう

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