さんじゅうさんわ ページ35
「…どうしたの？」
「…お、お姉ちゃんだあれ？」
まだ泣いている女の子と同じ目線で話す。
「お姉ちゃん、ここで買い物してたんだけど、弟とはぐれちゃったの。
貴方も泣いていたから、私と同じかなって」
未だに泣いている女の子は、それでも同じ境遇の仲間がいると安心したのか落ち着いてきたようだ。
「…うん。あのお人形さん見てたら、お母さんいなくて…」
指をさした場所には、可愛らしい人形が。
あれを見ててはぐれてしまったのか…。
…でも流石にこのお店から出てないと思うし、見つかるはず。
「…私、弟を探しに行くから、一緒にお母さんも探しに行こうか」
そう言って微笑めば女の子は顔を明るくさせて元気よく返事をした。
まずはさっき自分がいた場所に戻る。
もうすでに犀樹はそこに居て、近づいてきた私のことを見やる。
そして女の子に目線を移すとため息をつく。
「…また面倒ごと拾ってきて…いいけど。
…こんにちは。迷子なの？」
女の子の目線までしゃがんで挨拶をする。
女の子も元気に返す。微笑ましい。
「…犀樹」
「うん。
…君、お名前教えてくれる？」
「うん。私、ねこまち みゆうって言うんだよ！」
「…可愛い名前だね」
「ほんとっ？ありがとうお姉ちゃん！」
歩きながらみゆうちゃんのお母さんらしき人を探すが、特徴に当てはまる人がいない。
一応こっちにはインフォメーションがある。
いざとなれば放送して貰えばいい。
今はみゆうちゃんは犀樹に抱っこしてもらっている。
「…！…ぅ！」
少し先で叫んでいる女の人を見る。あの人だ。特徴と一致する。
「…！みゆう！」
「お母さんっ！」
犀樹が下ろすと一目散にお母さん目掛けて走るみゆうちゃん。
「…ごめんね。ありがとう」
親子が抱き合う光景を見ながら言う。
「…Aがそういう性格なの知ってる。
だから、良いよ。また今度デートしよ」
「…デート、じゃないでしょ」
＿＿＿＿でもドタバタしたけど、楽しかった。
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狼(プロフ) - 夜巾恵美さん» うわああああ！ありがとうございます！更新頑張らせていただきますね！ (2016年11月7日 18時) (
レス) id: 487fc714f0 (このIDを非表示/違反報告)
夜巾恵美 - 面白いです！！更新待ってます！ (2016年11月7日 18時) (レス) id: c36e1fb932 (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - クロムさん» ごめんなさい！これから直して行きますね！ (2016年11月5日 18時) (レス) id: 487fc714f0 (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - ウイさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年11月5日 18時) (レス) id: 487fc714f0 (このIDを非表示/違反報告)
狼(プロフ) - まりんさん» ご意見ありがとうございます！そうですよね…反省します。今度から少なくするよう努力します！これからもよろしくお願いします！ (2016年11月5日 18時) (レス) id: 487fc714f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狼 | 作成日時：2015年10月1日 17時
