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『《今日は月明かりが綺麗だ。隼辰が用意してくれた酒を飲むに相応しい》』
安「《もったいない言葉でございます》」
『《君はいつもそう言うね。昔から変わらない。.......昔から、ね。》』
安「《...本日は姫君の様子を見ないのですか?》」
『《あぁ、そうだね。忙しくてすっかり忘れてしまっていたよ。どれ、今日はどんな様子かな》』
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『《ユメクイの退治は順調のようだね》』
安「《畏れながら陛下、ユメクイは貴方様が生み出したもの。異世界より姫を呼び出して退治させる必要があったのでしょうか》」
『《...この世界が出来て少ししか経っていなかった頃、私は既にこの帝国の皇帝だった。でも、月日が流れても私は姿も変わらず力も衰えず、周りに置いて逝かれるばかりで孤独だったんだ。》』
『《君と出会った後も代わり映えのない世界に飽きて、そして国を作ろうと考えた。
でも、発展するだけの国に真の発展などないし面白味だって無い。だからユメクイを作って、夢を奪った。姫君だって呼び戻した。
...ただ、私はいつだって中立の立場でなければならない。ユメクイの悪行を止めることが出来ないのが悔やまれるよ。》』
安「《陛下...》」
『《ふふ、冷えてきたね。この話はおしまいだ。姫君の様子も確認できたことだし、私は休もうかな。》』
安「《御意。部屋までお送り致します》」
『《ありがとう》』
『《ここでいいよ。今日もお疲れ様》』
安「《陛下もお疲れ様でした。明日も同じ時間にお迎えにあがります》」
『《分かった。おやすみ》』
安「《おやすみなさいませ》」
バタン
『《夢を奪う...か。これからどうなるのか楽しみだねぇ。ふふふ》』
『《異世界より舞い戻りし姫君と各国の王子達よ、私はいつでもここから見守っているからね。
愛しき我が子達に幸あれ...》』
《謎のヴェールに隠されていた夢幻帝の秘密が少しだけ明かされた一日》
《彼の秘密が完全に明かされる日はやってくるのか》
《そして、夢世界に穏やかな日々は戻ってくるのか》
《それを知るのは夢幻帝ただ1人だけである...》
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ななみ - 鬼滅の刃好きなので嬉しいです。 (2019年8月9日 13時) (レス) id: 1d8c7e48b1 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - 双子可愛すぎます!双子に翻弄される浅沼さんも可愛いです。 (2019年7月24日 11時) (レス) id: 6726c83956 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - 一期一会読ませて頂きました。こんな出会いだったんですね。素敵です!浅沼晋太郎さんの、告白が可愛いです! (2019年7月8日 6時) (レス) id: dfca264758 (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - 一期一会読みました!最高すぎてにやけ止まりませんでした(;_;)笑 (2019年7月8日 1時) (レス) id: 3b6497bb9f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - もうやばいですよ!読んでいて、ニヤニヤが止まりません!いつもこんな素敵なお話を書いてくださりありがとうございます。これからも読み続けます! (2019年6月30日 18時) (レス) id: dfca264758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラララちゃんですよ〜 | 作成日時:2019年4月2日 0時