浅沼家の日常

・ ページ23

貴方side

『ありがとう』

そう言って晋さんの手に自分の左手を重ねる


すると、ぎゅっと手を握られた


浅「...指輪が手に当たるってなんかいいな。」


『ふふっ。』


しばらく足を海水につけて動いていると急に雨が降り出した


南国特有のいわゆる、スコールと言うやつだ


スタッフさん達は機材を濡らさないようにするために慌てて機材を避難させだした。


私達も傘を渡され海から上がる




大智「...母さん、沖縄の人ってこんぐらいの雨なら傘ささないんだよね」


『まぁ、そうね。それがどうかしたの？』


大智「なら、俺にも沖縄の血が流れてるから傘ささない。」


秀斗「俺も！」


突然そう言った大智は傘を閉じて砂浜に駆け出す。


そしてそれに続く秀斗。


『あの二人ったら(笑)...じゃあ私も行かなきゃね！だってあの二人に沖縄の血を与えたのは私だもの！』


浅「じゃっ、行くか！」


晋さんが傘を閉じると、案の定大粒の雨にうたれた。


それを振り切るかのように私達も走り出す


もちろん晋さんに手を握られたままだ


秀斗「父さーん母さーん！早くー！」


大智「虹でてるよー！虹！」


空を見上げるとだんだんと雨は止んでいき大きな虹が出ていた。


スタッフさん達がいるのも気にせず思いっきりカメラに背中を向けて横一列になって空を見上げる


『綺麗...』


浅「引き受けてよかっただろ？」


『えぇ！本当にありがとね！...大智と秀斗も！！』


そう言って横にいる3人を思いっきり抱きしめる


大智「わっ！」


秀斗「ちょっ、苦しっ！」


浅「俺も！ギューーーーっ！！」


晋さんも私達を抱きしめると大智と秀斗も腕を回してきた


男3人の力はとても強かったが、私も負けじと力を込める


雨で冷えた体が暖まってきた






カメラマン「はい！OKでーす！」


無事に写真のチェックも終わりカメラマンさんからもOKサインが出る



浅「あ！最後に一つだけいいですか？」


急に晋さんが声を上げる


浅「俺ら家族の記念ってことで最後に1枚撮って欲しいんです！」


そう言われて砂浜に移動すると晋さん、私、大智、秀斗の順に横一列になる




そして




スタッフ達「(爆笑)」


カメラマン「いいねー(笑)これ表紙にしよう！！(爆笑)」




『表紙がこれって(笑)前代未聞！』



一応確認のため撮った写真を見ると



そこには







晋さんがA、私がS、大智がN、秀斗がMを体で現している後ろ姿があった。

・→←・

ラッキーアイテム

デニムタイトスカート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す