浅沼家の日常10

雪の日 ページ8

貴方side

『本当に駅まで送って行かなくて大丈夫なの？寒いよ？』

大智「大丈夫だって！歩いたらポカポカしてくるから」

秀斗「帰りにヤバくなったらお願いするから！…もう行かないと遅れるから出るよ！」

大智秀斗「「行ってきます！」」

『あっ…行ってらっしゃい。気を付けてね！』

浅「行ってらっしゃい！…A、アイツらのことは大丈夫だと思うよ」

『そうかな…』

浅「いざとなれば迎えに来いって連絡が来るだろうし、俺も雪がひどくなりだす前には帰れると思うからさ。それよりもAは今日ほぼ歩いて移動だろ？そっちの方が心配だよ」

・

そんな話をしたのが今日1月6日の午前7時

そして現在午後5時前、大雪警報が発令されてから更に降雪量が増えてきた

始めはちらちらと降る雪に、南国育ちの血が疼いてそれなりに寒さを楽しんでいたはずなのに、今となっては「なぜ徒歩で移動できる近さのスタジオばかりで収録なのか」と苛立ちすら感じ始めている

スタジオの窓から見えるのは降雪量の増加と共に道に積もる雪もだんだん高さを増し、もはや東京かと疑ってしまうほどの雪景色

さっき見たニュースでは雪道で転んでしまう人や、立ち往生する車の映像ばかりが流れていた

『明日はブーツじゃないと絶対滑って転ぶなぁ』

帰ったら4人分のブーツを準備しようと決意して帰り支度をする

今のところ大智と秀斗から晋さんへヘルプコールは来ていないようだし、今日一日車で移動している晋さんの方も特に問題はないらしい

きっと今頃家でぬくぬくと過ごしているのだろう

島「A、お前今日帰りは電車だろ？送ってくか？」

『ううん、駅から早歩きすれば大丈夫。島さんも雪がこれ以上ひどくなる前に帰った方がいいよ』

スタジオのあるビルの入り口で島さんと別れ、足早に駅へ向かう

その途中でケーキ屋さんに寄ってあらかじめ注文していたケーキを受け取ることも忘れない

斉藤「あれ、Aさん？」

『ん？あ、壮馬くんだ。なんか可愛いことになってるね。移動中？』

斉藤「そうなんですよ〜。傘忘れちゃったから雪が積もっちゃって…」

ストールを頭に巻いて歩いている人に急に話しかけられ、誰かと思えばみんな大好き斉藤壮馬くん

そういえばさっき渋谷駅前にいる写真がツイッターに上がっていたけど、そこからずっとこの格好なのだろうか

『寒いでしょ。傘さしてって』

斉藤「えっ、でもAさんが積もられちゃいますよ」

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