5. 面影 ページ7
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SIDE−佐倉
「..アンタ、弱いクセに出しゃばんじゃねェ」
似てる。
「ご、ごめん!でも俺が守らなきゃって..思って_」
"俺がAを守ってやっから"
弱いクセして他人を守ろうとするところ。
「..__。」
「あ、えと..Aちゃん?どこか怪我でもッ?!」
"..A?お、おまっ!そんなケガどこでッ_"
自分のことのように他人を心配できるところも。
似てる。
"あの人"に..似てる_
「Aちゃん!」
違う。あの人とは違う。もう忘れろ。
そう、あの人はこんな_
「ダサくなかった。」
「え?」
「アンタと似てる人を思い出してたンだよ。..でも、あの人はアンタみたいにダサくはなかったなって」
「..え???」
「ほら、行くぞ。タケミチ_」
そう言ってまだ納得していないような顔をしているタケミチに声をかけ、歩き出そうとした時。
「あれ。タケミっちとA?」
振り返れば、まさしく探していたマイキーがそこにいた。
「あ!マイキーくん!ちょうど探してたんすよ!ねぇ?Aちゃん」
正直、もうどうでもいい。
マイキー達にはじめて会った日、アタシが型に嵌められた手に罰の刺青がある男のことを聞こうと思ったが、"あの人"のことを思い出したら、もうどうでもよくなった。
「..やっぱなんでもない」
そう言って、アイツらに背を向けて帰路に着いた。
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オレンジ - ケンカの強い女ってあこがれます (2022年1月15日 15時) (レス) @page10 id: 9b299edd82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさとう。 | 作成日時:2021年8月20日 18時