ページ ページ4
.
SIDE−龍宮寺
「..いい」
「いいから乗れ」
「いらないって」
「いいから。」
集会終わり、今の時刻は22:49。
さすがに女一人で帰らせるわけもなく、バイクで送るとAに申し出ている。
が、この女強情な上に危機感もありやしねぇ。
「なんか勘違いしているようだけど、アタシは守ってもらう程弱くねェ」
そう言い放って、そそくさとこの場を離れようとするA。
「ハァ__ほら。行くぞ」
話し合いじゃコイツは乗らねぇと思い、少々強引だが、彼女の頭にヘルメットを被せ、手を引く。
「ッ_テメェ誰の腕掴んで..ッ」
よろけた彼女の肩を掴み、無理矢理だがバイクに乗せ、さっさとエンジンをかけ発進する。
「テンメェ..何勝手にしやがるッ!」
後ろでキレてるが、こうなったらもう知らないフリだ。
「家はどっちだ?あ。危ねぇからしっかり捕まっとけよ」
「__ハァ..その道を真っ直ぐ。」
観念したのか彼女は、俺の腰に手を回し、家への道を告げた。
「_バイク、慣れてンのか?」
前にエマの我儘で後ろに乗せてやったとき、後ろで"怖い怖い"と暴れるもんだから、それ以来危なっかしくて女を乗せたことはなかった。
が、この女は怖がるどころか、どこかバイクに慣れているような感じだ。
「あ"?!!聞こえねェよ!もっとデケェ声で喋れや!!」
どうやら、バイクの排気音がデカくて聞こえなかったらしい。だからってそんな喧嘩口調でくるかァ?
それから、コイツの機嫌を損ねないよう話しかけるのはやめた。
.
104人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オレンジ - ケンカの強い女ってあこがれます (2022年1月15日 15時) (レス) @page10 id: 9b299edd82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おさとう。 | 作成日時:2021年8月20日 18時