待ったなしのぶっつけ本番/2 ページ5
◇
「遅くなった! ごめんなっ」
「! あ、真緒。お疲れ〜」
Aはひらひらと手を振り、微笑む。
うん、今日も安定のかわいさ。
「今日はあてれたか〜?」
「ふふん、真緒〜? 私を誰だと思ってんの〜?」
もちろん、あてた! そう笑うAはやっぱりかわいくって。
───好きだなって、この笑顔を見るたびに何度も、何度もそう思ってしまう。
「あっ、そうだ」
これあげる。ぴとっ、とおでこにくっつけられたのは、
「ひゅっ?! つめたっ…───?!」
「っはは! 引っかかった〜」
にこにこと笑っているA。渡されたのは缶コーラ。
「最近仕事、結構詰まってるっぽかったからさ。差し入れ」
「───…ありがと、」
Aはいつもやさしい。
いつも俺たちのことを見てくれていて、あんずにだっていつも、気を配ってて。
徹夜ルート直行しそうになった俺に、いつも気が付いてくれて、「学畜は大変だね〜、手伝うよ」って言って、いつも手伝ってくれる。
頼りがいがあって、やさしくて。
きっと、コイツのことを好きな奴は、星の数ほどいるに違いない。
だからこそ、俺が一番でいたくて。
俺が、一番の友達───いいや、言うのは物凄く恥ずかしいんだけど、恋人になりたい、なんて。
それでも言わなかったら一切変わらないから。
「っなあ!」
一足先を歩くAが足を止めて、くるりと踵を返す。
落ちていく赤い夕陽が、俺の赤い顔をごまかしてくれるぶん助かった。
「なあに?」
くすくすと笑うAさえもかわいくて、ばくばくと心臓が跳ねる。
ひゅうっと息が詰まって、上手く息ができない。
「…あの…な、聞いてほしい、んだけど」
「…? うん、聞くよ」
「………いきなりで、ごめんな」
大きく息を吸って。
───言わなきゃ。俺は、この先を、変えたいから。
◇
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まいとりー。(プロフ) - 夏目かこさん» 夏目かこさん、コメントありがとうございます。そうです、大正解です!! (2022年9月14日 7時) (レス) id: a716690bac (このIDを非表示/違反報告)
夏目かこ - ハニワですね、告白予行練習 (2022年9月13日 23時) (レス) @page3 id: 26710bd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいとりー。 | 作成日時:2021年11月20日 23時