ピュアボーイの煩悶/6 ページ19
◇
「んじゃ私、ちょっとお手洗い行ってくる」
そう俺に告げてAはぱたぱたと部屋の外へ駆けて行く。
それを見計らって、俺は夏越家のリビングへと向かう。
「あらぁ、真緒くん! 今日はお泊り?」
「お、そうなんだな? 娘を頼むぞ〜」
「お義父さん……お義母さん………」
気が早いわぁ、と微笑むAのお母さんに、真緒くんなら安心だな〜、とイケメンな微笑みを浮かべるお父さん。
切実に美形一家だと思う。
しかも、お義母さんは元国民的女優、お義父さんは昔、あの氷鷹誠矢と
ははっ、こんなの美形だよな。(答えになってない)
Aはご両親を「バカップルすぎて見てらんない」とか言っていた。
いいじゃんバカップル!!!!!!(黙れ)
目指そうぜバカップル!!!!!!(脳死)
「………真緒ー? は、いなくなった?!
っ母さん、真緒失踪…………いたわ」
「ごめんごめん、お義母さんとお義父さんと話してた」
「そう」
それじゃあ早くいくよ、勉強やばいんだから。
そう手を引くAにひょこひょことついていった。
…お義父さんお義母さん発言、気にも留めてくれなかったんですが。
*
*
*
勉強開始から早二時間。
Aの魔法のような指導力のおかげで、数学の課題もあと半分までなんとかこぎつけた。
「さすが真緒。吸収早いね」
「そんなことねーよ」
「あるよ」
「Aが教えてくれるからだと、思う」
そう一言言うと、急にAは黙った。
───え、俺怒らせた?
恐ろしいほど不安に襲われて、俯くAの顔を覗き込む。
いやそうしようと思ったんだけど、無理だった。
「…………いま、見ないで」
か細い声でそんなことを言われては、何も手出しができない。
「Aー! 真緒くーん! ごはんよ!」
丁度いいタイミングで、Aのお母さんから声がかかる。
「………真緒、先に行ってて」
「…お、おう………」
なんか俺、やばいことしちまった、のか?
◇
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まいとりー。(プロフ) - 夏目かこさん» 夏目かこさん、コメントありがとうございます。そうです、大正解です!! (2022年9月14日 7時) (レス) id: a716690bac (このIDを非表示/違反報告)
夏目かこ - ハニワですね、告白予行練習 (2022年9月13日 23時) (レス) @page3 id: 26710bd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいとりー。 | 作成日時:2021年11月20日 23時