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誘拐:2 ページ2

……クソっ……ふざけんな!


なんでこんなことになってる!?




全くわけのわからない状況に、俺はソファに拳を叩きつけた。
手錠の虚しい金属音が、重なるように響く。






……っ、落ち着け、思い出せ。


どこまでなら記憶がある?







意識を失う前……そうだ、確か部活の帰り、一人で歩いていたことまでは覚えてる。

だが、肝心のそこから先が思い出せねぇ。




更に集中しようとすると、







「っぐ……つぅ、」







頭に鋭い痛みが走った。


何かに邪魔されてるように頭が重い。





眉間を押さえつつ辺りを再度見回してみる。




正方形に近い部屋で、両側には天井まで本棚がそびえ立ち、鉄格子のはまった窓が1つと扉が3つ。そのうち1つは鍵穴がついている。

その他には低いテーブル1つのみ。

何度見ても見覚えは全く無い。




今着ている服は……長袖のTシャツに、深緑のスウェット。携帯は盗られたらしい。
見た限り外傷は無いようだった。





この部屋まで連れてきて着替えさせることまでできるってことは、十中八九犯人は男だ。




身代金目当ての誘拐にしちゃあ俺を随分放ったらかしにしているようだし、この建物も綺麗で大きそうだ。


イタズラでこんなことまでするとは考えられねぇし、かと言って暴行された跡も気配もねぇからな。


俺に恨みのある奴なら数え切れねんだが……。




自嘲するように「ふはっ」と笑い声を零した時だった。









がちゃり、とドアノブを回す音が聞こえたのは。









思わず身構え、俺をここへ連れてきたであろう人物を見定めようとした。

が、








「……は?」









姿を現したのは、制服を着た髪の長い女1人。


それも小柄な方の、だ。







『……あら、起きたんだ。

随分ぐっすり眠っていたものね。』







女が、口を開いた。

思ったより低い声だ。





「誰だ、てめぇ……。ここは何処だ。

なぜ俺をここへ連れてきた。」






































『……あたしの名前は、A。』

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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの2人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(?)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした! (2016年8月30日 16時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい!2見てきます!! (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません!黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます!! (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます! (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mae | 作成日時:2015年5月12日 22時

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