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控えめに仕事させて.4 ページ4

「…なんかごめんな、Aは悪くないで?白石達が後輩に容赦ないだけっちゅー話や」

『いや、私のせいでこの喧嘩が起きたんだから…結局のところ私が甘いからでしょ?謙也も早く帰りたいよね。ゴメン』

テニス部で唯一親しく接している謙也に謝る。お互いこの息が吸いにくいこの場から逃げ出したいという意見は一緒のようだ。

「いやいや、Aが謝ることないで」

「そうですよ。先輩が謝る理由はありません。彼等が頭を下げるべきであって…ほら先輩に謝れよ」

誰よりも高圧的かつ威圧感のある後輩にビクビク肩を震わせる上級生のAと謙也。

「いやっすわ。だいたいアンタらが苦情言ってるけど、俺関係無いし。俺に自分が謝るべきだとアンタら思わへんの?」

ピアスを付けているこちらも高圧的な黒髪の二年生。彼女達はまたも肩を震わす。目の前でバチバチ火花が散っているような気がした


『…あのね、私は別に迷惑だと思ってないよ?かと言って被害が無いわけでもないわけで…だからね?取り敢えず二人は落ち着いてさ、男子テニス部も大人数で責め立てないでくれると嬉しいな?』

「でも…」

『私もこれから全部に頷いたりしないから。ひとまずは承った仕事はこなしてあるし…あと金色は、前の部活動経費変動表を資料として見てたら男子テニス部だけ総合額が違いました。次からは私が仕上げとしてみるから』

「あらら、案外すぐバレてもうたわぁ」

『それとピアス君はゴメンね?用事があったと知らずに引き止めた私が悪いから…困ったことがあったら気軽に相談して?今はそれで手を打ってくれると嬉しいな。』


『…ではひとまず解散!!もう暗いし一人であんまり帰らないでね?私は謙也と帰るから…じゃね』

そう言い切るとAは謙也の腕を握り急いで中学校を後にした。若干走ったが流石は運動部の中でも最速の謙也、いつの間にかAの方が引っ張られている

校舎が見えなくなり後ろに誰もいないことを確認して謙也はAに話しかけた。

「ほんまお疲れ」

『うん謙也も。てか白石達いつにもまして大人気ないね』

「それ俺も思ったわ。相手は二年だし女の子もおったしな」

彼女達は白石達に文句を言いながら歩く。たわいない愚痴にも等しい会話をしながら歩く、そうして謙也の家に着いた。のだが謙也は「女の子一人で夜は危ない」とか洒落たことを言ってのけ家まで送ったのだ。

玄関先、すぐ母親に「彼氏?」と聞かれたAは呆れた様子で無視し自分の部屋に入った。

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山下後輩(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 原哲也ですか!!高校生組でも出せそうですね!!でもちょっと笑ってしまいました。小説は厳しいですがキリがついたら番外編で出したいと思いますね! (2017年11月4日 20時) (レス) id: d71824c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年11月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マオ(プロフ) - 有馬さん» ありがとうございます!家庭事情により更新がものすごく遅くなりますが頑張っていきたいと思います!! (2017年6月6日 0時) (レス) id: 9f003b2981 (このIDを非表示/違反報告)
有馬 - すっごい面白いです!!!更新がんばってくださいね^ - ^ (2017年5月20日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山下後輩(マオ) x他1人 | 作成日時:2017年4月5日 20時

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