39、札の効力(橙摩視点) ページ40
「呪いの札の効力、わかったんですか?」
「わかったよ…
でも、これは…」
真咲くんが言葉を渋った。
そんなに悪いものだったのだろうか?
「あの札な、花嬪様を呪うやつじゃなかったらしい」
「えっ、じゃあ、一体…」
「…お腹の子を呪うものだった」
「えっ…」
王室にとって、初めてできた子ども。
それを呪うなんて…
あれほど優しい花嬪様を
これ以上、傷つけるものがあるだろうか?
「札の内容は、お腹の子を王子ではなく、
姫にするものだった」
「えっ、それって、ヤバくないですか?
一体、誰がそんなことを…」
「内容が内容だし、それまでのことがあるから、
容疑がかかっているのが、王様と王妃様…」
「えぇっ!?めちゃくちゃヤバいじゃないですか!」
月派の人が疑われるのは、
なんとなく想像がついていたけど
まさか、王様まで…
「それが花嬪様付きの女官たちが
話してたことが引き金になったらしくて…」
「雅、それ、どういうこと?」
「なんか、王様が花嬪様に
姫なら名前は真紀が良いって言ったらしいねんけど
王子の名前は決まってないねんて」
「それの、どこが問題なの?」
「大妃様たちを含めた太陽派の人は
花嬪様が産む子は王子じゃなくて姫が良いって
言っているのと同じだって言ってて…」
うわぁ…
そんなこと思う人たちがいるんだ…
言われてみれば、そう聞こえないことも無いけど…
「王室のことを第一に考えるべき王様が
お世継ぎを望まないのも問題だって
太陽派が抗議してるらしい…」
雅が全部、説明してくれるのを
最後まで頭を抱えて聞いていた真咲くん。
姉である、花嬪様への思いと
王になる前から親交のある王様との
板挟みに近い状況。
俺が想像する以上に複雑なんだろうな…
「…とりあえず、二人は
誰がその札を入手したのか調べを続けて。
俺も調べる。気になることあれば、すぐ報告」
『了解しました!!』
これ以上、真咲くんの心配事が増えなきゃ良いな…
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