13、笑顔(花嬪視点) ページ14
喜んでくれるなんて
少しも思っていなかった。
反対されることも
質問攻めに合うことも覚悟してた。
でも、いざ、その時になったら
「真咲…」
心に刺さるものがあった。
「花嬪様。
本日より、花嬪様付きの護衛となりました、
真咲です。よろしくお願いいたします」
と、きちんとした挨拶をした。
すると
「さくら、亜弥、私と真咲の二人にしてくれる?」
『承知いたしました』
と人払いをした。
「中へ入りましょう、真咲」
咲は静かに、静かに、淡々としていた。
でも部屋に入って、二人きりになると…
「もー、何考えてんの!?正気!?」
いつも通りの咲。
思わず吹き出しそうになったのを堪えて
「花嬪様に言われる前から進路は決めてたんですよ。
王宮に仕える仕事がしたいなぁと」
「だったら内官にでもなれば良かったじゃない!」
「そんなに怒らないでくださいよ。俺…
私は花嬪様の近くにいられる仕事が良かったんです。
王様にも、その方が良いと言われましたし、
何より父上が二つ返事で許可してくださったんです。
花嬪様も知ってる人が近くにいる方が安心でしょう?」
「それは、まぁ…そうだけど…」
「大丈夫です。
それなりの訓練も試験も実践練習もしました。
そんな簡単に、いなくなったりしませんよ」
そう言うと、すごく困った顔をした咲。
「何があっても花嬪様を守ります。
そして花嬪様のせいで
命を落とすなんてこと絶対にしません。
それで責任を感じられると死にきれないので」
「喧嘩売ってる?」
「まさか。王様の側室である花嬪様に喧嘩を売るなんて」
「そういうのを喧嘩売ってるって言うのよ!」
最後には笑顔になる。
やっぱり俺は花嬪様の…
咲の笑顔が好きで、守りたい。
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