11、知っている(健水視点) ページ12
「これから頼むで。真咲」
「はい。王様。
誠心誠意尽くします」
俺の計らいで、それなりの位で、
真咲を花嬪付きの護衛にした。
これこそ職権乱用な気がするけど
この国で王命は絶対やし、
これのせいで誰かが困る訳でもないし
そもそも真咲には位に見合った能力もある。
だから二つ返事で承諾した。
俺も真咲が王宮内にいてくれた方が安心やし。
「でも、ほんまに良かったん?
真咲が望むなら、もう少し楽な役職とか見繕ったのに」
「良いんですよ。
こんなワガママを受け入れていただいたんです。
多少の危険が伴わなければ釣り合いません。
それでも身の程知らずなお願いになるんですし」
まぁ、そうと言えば、そうやねんけど…
「もっと甘えてくれて、ええのに。
仮にも俺の義理の弟になるんやで?」
「それこそ恐れ多いですよ。
王族になったのは咲…花嬪様だけです。
俺は関係ありません」
って笑って言うてるけど、真咲…
ほんまは花嬪のことが好きなんやろ?
昔っから何かと花嬪の話ばっかしてたし、
真咲が元気か、落ち込んでるかの基準のほとんどが
花嬪やった。
だから、ほんまに花嬪を側室として
迎えてええんか、めちゃくちゃ悩んだ。
こんなこと、誰にも相談できひんし。
もし誰かに相談して、真咲の気持ちが知れ渡れば
真咲の命がどうなるか…
もしかしたら花嬪にまで危害がいくかもしれへん。
そう思ったら誰にも言われへんかった。
「やっぱり花嬪様に言ったら怒られますよね…?」
「そりゃそうやろ」
「ですよねぇ…」
そもそも二人は姉と弟。
どうやったって結ばれへん。
それに俺も知らん人を側室にするより
少しでも知ってる人を側室にした方が良いし
かなとも上手くやっていける人の方が有難い。
それも含めて、大妃様は推薦したんか?
その辺、ようわからんねんなぁ…
なんで花嬪やってんやろ…
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