24、健水視点 ページ24
「なんの騒ぎですか?」
声をする方を見ると、別の部屋から
俺たちの様子を伺う着物を着た女性の姿が見えた。
この庭って、別の部屋にも繋がってるんや。
紫織「当主、申し訳ございません」
この人が、当主…
還暦を超えてるって聞いてたけど
足腰しっかりしてて、そんな風には見えへん。
当主「彼らが新しい召使いさん?」
紫織「健水さんと、エミさんです。
今日はお休みですが、怜さん、カナエさん、
真咲さんという方もいらっしゃいます」
当主「そうですか。あまり騒ぐのではありませんよ。
心臓に負担がかかってしまいますからね」
紫織「申し訳ございません。気をつけます」
当主は俺たちをチラッと見て
当主「その猫は、きちんと世話をするのですよ」
と、当主は自室に戻った。
猫、飼って良いんや…
なんか、優しいのか、冷たいのか、
よう、わからん人やったな…
エミ「緊張した…」
紫織「そんなに怖い人ではないですよ。
ただ威厳を守る言動を、となると
どうしても、あぁなってしまうだけで」
今までのアルバイターが続かんかったから
そこまで、きちんとした挨拶をせーへんねんな。
ちゃんと挨拶できるように、頑張ろ!
紫織「お茶にしましょうか」
エミ「猫ちゃんには、水?」
紫織「猫用の餌を用意しなくては」
そんな話をしながら紫織の部屋へ戻った。
その様子を窓からガラス越しに
穏やかな表情で見ている当主が見えた。
冷たいんじゃなくて、
不器用で、優しい人なんやなって思った。
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