155話:きのせい ページ5
少し歩いていると、太宰さんの調子は戻ったのか「とりあえず私の家に行こう!」と元気よく言い出した。
『ケータイですもんね』
「嗚呼、それに私の家にも傘があるし是非使って帰るといいよ」
にこっ...と太宰さんは微笑んでくれた。
その笑みは普通の笑みで先程の考えている素振りは見えなかった。
(気のせいか…)
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太宰さんの家に着くとお茶だけ貰って家の前まで送ってくれた。
紳士的な太宰さんは流石…と言うほど人に気遣い出来るのが凄いなぁ。
『では、またお返しさせていただきます。』
「嗚呼。好きな時に返してくれ」
「またね」と軽く手を振ってくれて…太宰さんは彼の仕事場の武装探偵社に向かった。
私は雨の中すぐに家の中に帰った。
『ただいまぁ』
玄関のドアを開けると、またまた通りかかったドストフスキー…略してフエト君がちょうどそこに居てギューッと抱きしめてきた。
彼は肩の方に顔を埋めてまるで犬のように甘えてきた。
「…嫌いな香りがします」
『さっき外で太宰さんに傘を貸してもらったの』
そう言って傘を立てた方を見せると、フエトくんは顔を歪めてむすっ…と怒っていた。
でもどうすることも出来ないのが分かっているのか、後ろから抱きしめてきてピッタリとくっついて来た。
『フエトくん?』
「ヤです」
『もう…』
そのまま私達はリビングに行き、その後はのんびりとした。
冷たい外の雨音が聞こえて、テレビの雑音の2つがよく聞こえた。
心地よい音に思わず眠ってしまいソファの上で眠りについた。
フエトくんは私の頭を撫でてくれた。。
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シグマざん(プロフ) - シアさん» コメントありがとうございます。了解しました (1月11日 0時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
シア - 江戸川乱歩オチも作っていただけませんか? (1月9日 7時) (レス) id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
シグマざん(プロフ) - 冬華さん» ありがとうございます!!ひとつの事に集中するのは苦手で更新は遅くなってしまいますがとても嬉しいです! (9月18日 16時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 恋愛系の久しぶりに読むんですけど、話の展開に無理矢理感がなくて気持ちよく読めました!沢山の作品を同時に作ったり、アイデアを出せるシグマさん、尊敬します! (9月18日 14時) (レス) @page13 id: 62d80712bb (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - raiさん» 少しずつですが頑張ります。ありがとうございます (8月15日 14時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2022年9月27日 23時