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39:殺し ページ39

ザクッ…


『…』


刺した感覚はあるが、彼は息絶えなかった。
すると「うふふ」といつも通りの彼の笑い声が聞こえた。
パッ!と上げて彼の顔を見ると、ニコニコしていた。


「いい所を狙うじゃないか」
『まだ1回にカウント中』

「!」


私はそう言って思いっきり包丁を彼の腕から抜いた。
咄嗟に彼は腕を置いて心臓に刺されないように塞いだのだ。
…まぁ激痛なのか、彼は顔を歪めたが私はそのままもう一度、包丁を振りかぶった。


『!』


ふと、手首を取られてしまった。
腕の長い彼は余裕なのだろう。


(…ぐぐ…力の差ッ)


力を込めて刺そうとするけれど、彼は一般男性だ。
女の私なんて叶わなかった。


「はーい。これで1カウント終了だよ」
『はぁ…』


私は手を離して包丁を落として座り込んだ。
…まだダメか。

思わずため息がたくさん出ると「救急箱…」と治は口を開けた。


(血、出てるのになぁ…)


仕留めれない焦れったさが気持ち悪い。
なんて思いつつ、布団から出た彼に向けて、救急箱の方角を指さした。


『あそこにあるよ』
「うふふ、手当してくれるかい?」

『罰ゲームなら』


___
__
_


傷を手当し終わると彼はニコニコ笑った。
殴りたくなる笑顔。
するとぎゅーっと抱きついてきて、お互いの肌が触れ合った。


「初めは夜■いかと思ったけれど、殺気がバレバレだよ」


治はそう言った。
まぁ裸で殺しに行ったし、着替えている間におきられても困るから。


『セクハラ』
「恋人だろう?スキッンシップだよ」


なんて会話しつつベットに戻り、座った。
隣には治が居て、軽く頭を触れられた
そしてそのまま横に倒されて、私は彼に膝枕をしてもらった。


(…次の殺しはどうしようかなぁ…?)


「…ねぇ、A」
『?なに?』

「私が居るんだけど」

『?』


(なにが。)

40:彼の秘密→←38:淡々と進む



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シグマ(プロフ) - 文ストさん» ありがとうございます!すごく頑張ってます、これからも楽しみながら無理せずやります! (2022年11月18日 1時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
文スト - とっても面白いです!1日に2回ほど投稿してて凄いです!これからもがんばってください! (2022年11月17日 18時) (レス) @page34 id: 7342f3c81f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - ザイさん» ありがとうございます!お気に召していただいてよかったです。 (2022年11月6日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - 面白いです!猫っぽいとか性癖に直接ぶっ刺さりました。 (2022年11月5日 23時) (レス) @page11 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 水彩さんさん» 水彩さん!えへへ、ありがとうございます!! (2022年11月3日 14時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/  
作成日時:2022年11月3日 11時

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