【文スト】彼女はいつも哀れんでいる (ページ44)

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かのじょ４４ページ44

夕方。
子供の姿で近くのお店で外食した。

(子供の方が疲れるけど、満腹になりやすい…)

お腹すいたら子供。
あとは、大人…が1番やりやすかったりする。
寝泊まりは猫かな？

店員さんに1万円を渡すとギョッとされたが、偽りの笑みで「ありがとうございました」と言ってくれた。

(どうしようかなぁ…)

行くあてがないと言うのは結構焦るものだ。

ホテルで寝泊まりした方がいい？
それとも猫の集団に＿いや、辞めておこう。

…人に拾われるのが1番いいけれど、そう簡単に行くか？

(…物は試し)

私は橋の下へ向かった。

もしかしたら保護団体に見つかるかもしれない。
そしたら自由はないけれど、生きるのに困る必要は無い。

『よしっ！』

橋の下に着くと、近くにはダンボールがあった。
カバンをそばに置き、猫になってダンボールに入った。

『みやぁ〜、みゃ』

鳴いてみると意外と響くな。
川の音と猫の鳴き声…。

声を出しているのは私だけれど、結構すきだ。

(自分が鳴いているのは嫌気がしないんだけど…猫が鳴いてるのはなぁ…)

1時間ほど時々休憩しながらないていると、人の足音が聞こえた。
その足音は次第に私の方に近づき、私は顔を見あげた。

「子猫？」
『みやぁ…』

(男の子だ)

白髪の男の子は私をじーっと見ていた。
すると、ぴょこん…彼の頭に耳が現れて私を見ていた。

(異能力者だ)

少し驚きながらも声に意味をつけて発した。
彼の耳は動いてこちらを向いているため、聞こうとしてくれてる。

『みゃぁ、みゃ :((助けて怖い』
「！」

『みゆぅ…:((暗いよぉ』

「だ、大丈夫だよ。僕が居るからね」

そう言って私を抱き上げて、毛並みを整えてくれた。

…猫の私の言葉が分かるのかな？

明らかに人じゃない耳。
白色の猫の耳…？

「にゃー :((1人なの？」
『！にゃ、にゃん :((ご主人様が居たよ』

(チェックメイト…)

彼は少しだけ猫語が喋れる。
異能力者だ。
私は元々が猫だから今回は猫語も行ける。

…全く、便利な異能だ…。

『みゅぅ…にゃ…:((ご主人様…帰ってこない』
「…っ捨てられたんだ…。」