【文スト】彼女はいつも哀れんでいる (ページ43)

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かのじょ４３ページ43

何十万と勝ち進んでいると、店員さんが慌てだしていた。
……1時間も居るとそろそろ確率が全て下がってくる。

潮時かな。

一番儲かっている今の状態で辞めた。
ちょうど当たりも終わったところだし、席を立つと前の所を見た。

(沢山つっこんで負けてる…)

他の人を見ると私の影響が強いのか、負け雰囲気が露になっていた。
…勝っているのは私だけかな？

そう思いながら金に変える手続きを進めた。
すぐに変わるわけじゃない。

カードを渡すと受付の方はドン引きしていたが『お願いしますね』と言うと、手を動かしてくれた。

(この女性…綺麗に大景品でキリが終わるようにしてる…偶然？)

そして小さなものを貰い、私は『ありがとう』と言って店を出た。
カウンターの方はマイクで何か言っているように見えたが、私は走早に路地裏に入った。

『異能力』

黒猫に代わり、交換出来る小さなものを口に咥えた。
少しだけ先程の店の周りを見ているとガラの悪い男が、ウロウロしていた。

(…ヤクザとここは繋がってる…)

きっと勝ったぶんを力づくで奪いに来るつもりだ。
そんな人達を横目に換金所に向かった。

＿＿
＿

換金所の近くで異能を解き、平気な顔をして中に入った。
それを渡すと換金所の男性は驚いた顔をしていた。

男性「お姉さん、大勝したんだね。おめでとう」
『はい！ありがとうございます！』

私はキョロキョロと周りを見て、その30代くらいの男性に近づいた。
内緒話をするように手を口元に近づけると、彼は耳を傾けてくれた。

『ある店員さんが勝たしてくれたんです。』
男性「良かったね、羨ましい限りだ」

そう言って金額が大きいので、袋を下さった。
そして束になったお金を置いて、その束は1つ20万。
それを5つ置いて下さった。

1つ1つ箱の中に入れていくと、男性は忠告してくれた。

男性「背後には気をつけなよ？悪い輩に捕まらないようにな。お姉さん」
『はい！大丈夫です、ありがとうございます』

そう言って走早に去った。

手持ち1万から100倍になっちゃった。
美容院のついでに買っておいた子供用のリュックサックにお金を入れて、路地裏に向かった。

そして姿を幼女に変えて出てきた。

(前の時の方が稼げてたけど…
きっと保護者に認定してた鴎外に奪われちゃったかなぁ。。)