【文スト】彼女はいつも哀れんでいる (ページ5)

今日:14 hit、昨日:14 hit、合計:48,239 hit

かのじょ５ページ5

＿２日目＿

幼女の姿で、マフィア内を歩き回っていた。

『…』

「……ねぇ、あれ」
「あ、嗚呼…」

勿論、目立つ。

黒服達は、心配そうな目で見ていた。

…間違えて迷い込んでしまったのか。
…(噂の)首領の幼女なのか。

なんにも情報を知らない黒服達は困っていた。
Aは、周りを見て何かを探していた。

『………』

そして、またフラフラと歩きだしていた。
足取りは覚束なく、如何にもコケてしまいそうに見える。

黒服(((なんなんだ。あの子は…)))

(何処の部屋だっけな…)

そして、女の子はある部屋を見つけた。
軽くノックしてから、中の返事を待っていた。

…中々返ってこない。

黒服(((誰も居ないパターンか！？)))

すると、Aの後ろで足が止まった。
ゆっくり振り返ると、そのには首を傾げた彼が居た。

「おい。僕(やつがれ)の部屋の前で何をしている。小娘」

その時、これを見ていた黒服全員が思った。

黒服(((あああああ、もしかして、怖くて泣いちゃうんじゃ……)))

『あ、きみが、あくたがわりゅうのすけ？』

Aは首をコテンと可愛く傾げていた。
…勿論猫かぶり。
と言うか、元を誰も知らないので、小さな子と青年に分断された。

黒服(((い、以外にも平気…)))

芥「笑止。それがどうした。餓鬼はさっさと去れ。」
『…だざいかんぶってひとから、これをたのまれてるんだぁ！』

芥「何っ…太宰さんが…」ポワッ

Aはそう言って、書類の封筒を見せた。
茶色い封筒。
芥川が受け取ろうと、手を差し出すと書類袋を取られないように動かしていた。

『…いっしょに、はなそ？』

Aは柔らかい声で言った。
周りは、ホッとしていた。

ただ、芥川が１㍉も動かず、固まった。

芥「あ、嗚呼…中に入れ」
『おっじゃましまーすぅ！』

そして、黒服達からの目線は外れた。
ドアを閉めて、芥川は部屋の中に入った。

芥「…貴様は………！？」

その瞬間、芥川は体制を崩し、床に倒れた。
そして、その上に幼女が座り込んだ。

『おい、お前。今直ぐ餓鬼発言を取り消せ…殺すぞ』
芥「は？」

ーーーーーーーー

黒服(((あの子が大声で泣かなくて良かった……)))