かのじょ32 ページ32
私は振り返った。
後ろには4人は首を傾げていた。
『とりあえず、太宰と鴎外は知ってるけど…。
あとで私のことを説明するね。気になるでしょうし』
森「…言うのかい?」
ふと、心配そうに鴎外は尋ねてきた。
鴎外が初めから付き合ってくれてから…不安なのだろう。
(やっぱり鴎外は優しいなぁ…)
…きっと何も知らない方が恐ろしいはず。
みんな、心が広いから恐ろしくても受け止めてくれてるんだと思う。
『大丈夫。鴎外と太宰にだけ教えるのは不平等だから。ね』
太「えー…私は嬉しいんだけどなぁ」
森「…」
私はそう言って、鴎外の方を見て少し微笑んだ。
鴎外は悲しそうに目線を落としている。
(…?)
どうして、そんな目をするのだろうか。
悲しい目。
今はそんな雰囲気じゃないはず…。
やっぱり鴎外の思考はあまり分からないや。
中「おう!俺にも教えてくれ」
『芥川も一応声をかけて、最後に鴎外の部屋で話す』
私はそう言って、足を動かした。
目には迷いがあった。
(これから…私のことを話したとしても、どうしよう)
理解されたとして、怖がられるだろうか。
長く生きてるなんて…そりゃ普通に見たら気持ち悪くないか。
平気だったとしても、私はずっとここに居てもいいのだろうか。
鴎外”だけ”知っているわけじゃない。
__またみんなの涙が見えてしまうなら…私はここに長居出来ない。
森【私がそれを治す薬をつくるんだ。だから消えないでくれ】
昔、鴎外が言ってくれた言葉。
私は守れるか分からない。不安になった。
___
__
_
『芥川って昇進したんだ』
5年も立っているし、彼も二十歳になった。
結構、いろいろ盛んだろうし上に登り詰めてもおかしくないから、聞いてみると……やっぱり昇進していたみたいだ。
(そりゃ、羅生門って異能がフツーに強いもんなぁ)
残念ながら芥川は病弱だ。
でも、その分異能が強くてよかったなぁ…。なんて思う。
太「そうだよ。
今は黒蜥蜴と言うチームのリーダー的な存在なんだ。」
中「ん。あの部屋だ」
中原はある部屋を指さしていた。
普通の大きな扉。
私はそこの前に立ち、扉をノックした。
コンコンコンコン…。
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2021年12月3日 0時