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8話:優しい香り ページ8

そして、バタバタしながら家事系は全て終わらせた。
中原さんはやっと珈琲に口をつけて、温まるようにして飲んでいた。


そんな彼を少し見て、私はテレビを付けてソファに座り本を読んだ。
テレビの雑音が、丁度、心地好い。

…本は童話だ。
本を読むのは得意じゃない。
とっても遅いし、読んでもらった方が早いくらい。

それでもカッコつけて500頁の本を買ったりして、苦しんでいる。
その場合誰かにあげてるけど…

そして、1時間程経った頃だろうか。
中原さんが私の方を見た。



中「なぁ」
『…なんですか?』

中「俺は…何時(いつ)から嘘をつかれていたんだ?」


ふと、そう言って来た。
私が知っている訳ないし『本人に当たってください』と私は返した。

中原さんは「そうか」と肩を下ろした。
一応、私も嘘をつかれ、少しは傷付いているのだ。


(私の方が気になる…)


『……精神の方はマシになりましたか?』
中「嗚呼、なんか落ち着いたみてぇだ」
『それは良かった。やっぱり御母さんが言っていた香りは凄いや』



私はそう言った。
実はアロマオイルを垂らしておいたのだ。(カーテンに)

御母さんがお花にとても詳しいから、オススメだと言われてくれたのだ。
と言うか定期的に貰いすぎて余っているとは言えない…。


中「御母さん?」

『私が働いている店長の事。
解雇事件に巻き込まれて、職に困っていたら助けてくれたんだよ』

中「…あ、巻き込まれて…あれはリストラじゃねぇのか?」
『違うよ。亜里沙さんが滅茶苦茶沢山やらかしたから、解雇なんだよ』


『懲役解雇』と言うと、中原さんは苦笑いしていた。
そしてもう一度、部屋を嗅ぎ匂いを当ててきた。


中「ハーブか?」
『まぁね、正確に言えば【ローズマリー】って言う色んなものに使われる花。
私、冷え性だからこれで誤魔化してるの。』

中「ほぉー、アロマオイルにも種類があるんだな」
『そうだよ。…1つあげようか?余ってるし』

中「本当か!」
『良いよ…種類は何がいい?』


中原さんは【ラベンダー】と言ったので私はそれを1つあげた。
喜んでくれたので良かった。

その後「世話になった」と言って帰って行った。


(一応、立ち直った?…ので良かった。)


私はケータイを開け、電話に出た。
そして一言、言った


『信頼してたのに…馬鹿』
亜里沙【っ……ごめん。ごめんねっ…。】

9話:演技の奥→←7話:倒れそうな彼



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設定タグ:文スト , 愛され , 浮気   
作品ジャンル:恋愛
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シグマざん(プロフ) - 朱鷺さん» こちらこそ、ありがとうございます (12月17日 16時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - かっ、神作をありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!✨ (12月17日 16時) (レス) @page46 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 颯貴さん» ありがとうございます!( * + ◇ +*)ガンバッタゾ(` ≡ △ ≡’)ワーイ (2021年1月24日 4時) (レス) id: 5678212689 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - やばいです毎回気持ち悪いぐらいニヤついて読んでますwwずっと応援シテマス(`≡△≡’)(なんかこの絵文字可愛くて気に入った) (2021年1月22日 23時) (レス) id: 877859fa3c (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 颯貴さん» ありがとうございます。なら、私はジャンプをしながら更新しましす(!?)お楽しみ下さい。 (2021年1月10日 18時) (レス) id: 5678212689 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/  
作成日時:2020年12月15日 3時

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