27話:友達からのお願い ページ27
太「ごちそーさま♡」
『はいはい。店長』
店長「はいよ。帰るんか?」
『うん。眼鏡忘れてたや。ごめんね』
店長「大丈夫や!またきぃーな?」
『はーい。』
そして、私は代金を払って外に出た。
此処は何時来ても優しい店だ。
……思わず、顔が緩んでしまう。
太「じゃぁ、送るよ」
『ありがとう。』
そして、太宰さんは私の家まで送ってくれた。
太宰さんは昼の話をしてくれた。
大好きだった友達のお墓に行ってたらしい。
太「もし、彼が生きている世界があれば…私は死ぬ気で彼を守る」
『なんで?』
太「私が生きる価値を見出してくれた彼だ。殺させる訳がない」
『……良かったね。そんなことを太宰さんに言って貰えるなんて』
太「え?」
私は後ろに居る太宰さんに向かって、優しく笑った。
柄にもない笑顔。
ほっっと、何言っちゃってんだろ。って思ってしまう。
『ジサツ願望者がさ…そんな事言うなんて、余っ程凄い人だなってね』
太「……」
『少しだけ、羨ましくなるよ。えっと…織田さんだね。』
私はそう言った。
でも…と言葉を付け足した。
『理想は…お互いが生きている事。それだけでいいと思う。
死ぬ気で守る必要なんかない。
人は結局、寿命で死んでしまうのだから』
太「…」
『私は生きてるのに精一杯だからね。』
太宰さんは足を止めていた。
私はまだ進めていた。
『……結局、人は自分が好きだ。でも太宰さんは彼を押す。
人間じゃ無いみたいに美しいことじゃん』
太「……っ」
『でも、訂正。美しい物には裏がある。
きっと貴方の今の可笑しい思いが、身を滅ぼす。知っておいてよ。
身を滅ぼす者は周りも汚す。気をつけてね』
すると太宰さんも足を進めた。
そして走って、私を抱きしめてきた。
……何も言えない無言の時間。
此処まで気まずくなったのは、初めてなのかもしれない。
太「…君も織田作に似ている。」
『似てないよ』
太「いや、似てる……消えないでくれよ。
友達からの、願いだからね」
『…』
太宰さんが離してくれるまで、家に帰れなかった。
私が…死ぬなんて殆ど有り得ないよ……っつ言うのはやめようか。
いつ事故で死んでもおかしくないもの。
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シグマざん(プロフ) - 朱鷺さん» こちらこそ、ありがとうございます (12月17日 16時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - かっ、神作をありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!✨ (12月17日 16時) (レス) @page46 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 颯貴さん» ありがとうございます!( * + ◇ +*)ガンバッタゾ(` ≡ △ ≡’)ワーイ (2021年1月24日 4時) (レス) id: 5678212689 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - やばいです毎回気持ち悪いぐらいニヤついて読んでますwwずっと応援シテマス(`≡△≡’)(なんかこの絵文字可愛くて気に入った) (2021年1月22日 23時) (レス) id: 877859fa3c (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 颯貴さん» ありがとうございます。なら、私はジャンプをしながら更新しましす(!?)お楽しみ下さい。 (2021年1月10日 18時) (レス) id: 5678212689 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mao2929891/
作成日時:2020年12月15日 3時