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「何言ってるんだい?私を先に捨てたのは君だろう?」


そう言う治の声はとても冷たかった。
怒っていない。
冷たさ以外感じられず、混乱した。


『え?』
「………」

『何言ってるの?
なんで私が治を捨てなきゃいけないの?』


__わかんない。
なんで治がそう思うの?

治はゆっくり近づいてきて私の手首を取った。
そのまま強く手を引かれ、足を進めた。


『何するの?』
「……」


答えてはくれなかった。


___
_


すぐに私達はお風呂場に向かった。
私がドレスを着たままでも浴槽に押してきたので入った。
お湯は、もう暖かい状態で置いてあった。


(帰ってきたら入れてくれる予定だったのかな?)


治はお湯に浸かった私をじーっと見ていた。
目を合わせてもどこか遠くを見ている気がして手を伸ばした。
包帯が巻いてある手を掴むと、視線は私に向いた。


『治』
「…どうして付いているんだ」

『何を?__痛ッ』


治は私の首元を強く押してきた。
思わず顔を歪めると、治はグリグリと指をねじ込むように更に押してきた。


(痛いっ)


きっとあの男が付けた跡のことだろう。


「なにこれ」
『た、食べられかけた…でも、最後まではされてないの!本当に!』


(信じて…)


手をぎゅっと繋いでそう言った。
すると握り返してくれたが、言葉は続いた。


「ふーん…私の跡も消して……保険の意味が無いじゃないか」
『そ、それは、お仕事が…』

「仕事ねぇ?」

『い”っ__!?』


あまりにもひどい痛みに、目にはうっすら涙が溢れた。
肩が外れそう。


「私はこれより痛いんだ。全てを壊したくなる程の痛み。
……A、今日は絶対に許さないよ」


そういう治は悲しそうに泣きそうな声で言葉を発した。
目を見ると涙を流していた。
瞳には私だけが映っていて、私を見てくれた。


(嗚呼、私ヒドいやつだ)


こんな状況でも私は、まだ治が私を見てくれるかもしれない。
こんなに治は心を痛めてるのに。


__まだ、まだ、私にハマってくれるんだ。


私は濡れた服のまま抱きしめた。
頬を擦り付け、心の底からホッとした。


『治に許して貰えるまで、なんでもするっ』
「いいこだね、A…」


そう言って撫でてくれた。


(嬉しい。見直してくれたっ!)

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シグマ(プロフ) - 黒川かぐやさん» うふふふ、嬉しいです!ありがとうございます!まじ共依存しか勝たん★ (8月27日 20時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - あの、好きです……えっと、その👉👈ほんとにこの関係が好きで、この作品沼すぎて、何回も見直しちゃってるくらいです……共依存しか勝たん🥺👊 (8月27日 18時) (レス) id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 橘スミレさん» ふふふ、ありがとうございます! (8月27日 3時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - これぞ共依存ですね。最高です。 (8月27日 0時) (レス) @page44 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 眠いちゃんさん» おおっ、いいところに気づくねぇ!(ありがとうございます!) (5月13日 19時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2022年10月23日 19時

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