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「大丈夫でしたか?」


清掃員の彼は傍に来て帽子を脱ぎ、顔を見せてくれた。
この人はずーっと暗い紫の瞳のままと知ったのはこの時。


『あ、ありがとうございます…』
「はだけていますよ。治しますね」


彼はそう言って脱がされた服を着せようと私の素肌に触れた。
ただそれだけで『ひゃっ…』と言葉を漏らした。


「『……』」


思わずお互い言葉を失った。
なんとなく恥ずかしくて思わず顔を赤くすると、彼はふふっと笑った。


「焦らされたまま終わったんですね。大丈夫ですか?」
『…実を言うと体が疼いて…』


暗いおかげでよく見られることは無いが、異性と2人は恥ずかしい。

あと私は焦らされるのにめっぽう弱い。
簡単に開発できるくらいには弱いのだ。
すると彼はもっとそばに近づいてきた。


「お手伝いしますよ」
『えっ!?いや、それは困るんですが…』


(治以外嫌なんですか!?)


体を少し引く中、手を強く掴まれた。
暖かい他人の大きな手に思わず彼の方を見た。


「では、ぼくと太宰治の情報を少しお渡しするので後処理をやらせて下さい」
『……』

「ぼくは少し貴方に気があります。駄目でしょうか?」


清掃員の彼はしっぽを振る犬のように私に興味を持っていた。
…偶然か知らないけれど、私も治と関係していると聞いたのなら聞くしかない。


『分かった。情報はちゃんと話して』
「はい」


とりあえずこのベットは血が着いて不衛生なので隣の部屋に移動した。
隣の部屋もほとんど同じ部屋だが、ぼんやりとしたあかりは無かった。

でも、暗闇で目が慣れてる私達には問題がなかった。


「触れるのは許可して貰えないでしょうし、キスだけやり遂げますね」


彼は自信満々にそう言った。
はい!?
_となる自分もあるが、治以外には基本的には触れられたくないので少し嬉しかった。


(キスだけなんて治の同等じゃなきゃ無理でしょうし…)


私も努力して上手い方だとは思うけれど?


そんなことを思いつつ、ベットに寝転がり、彼は私の上に乗っかった。


『あの、処理できなくても大丈夫ですからね…?』
「大丈夫です」


(なんでそんな自信が……)

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シグマ(プロフ) - 黒川かぐやさん» うふふふ、嬉しいです!ありがとうございます!まじ共依存しか勝たん★ (8月27日 20時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - あの、好きです……えっと、その👉👈ほんとにこの関係が好きで、この作品沼すぎて、何回も見直しちゃってるくらいです……共依存しか勝たん🥺👊 (8月27日 18時) (レス) id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 橘スミレさん» ふふふ、ありがとうございます! (8月27日 3時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - これぞ共依存ですね。最高です。 (8月27日 0時) (レス) @page44 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 眠いちゃんさん» おおっ、いいところに気づくねぇ!(ありがとうございます!) (5月13日 19時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2022年10月23日 19時

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