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取れたぬいぐるみを抱きしめて、ゲームセンターを歩き回った。
そんな時、目に付いたのは音ゲーだった。


『治、勝負しよう』


私が指を指してそう言った。
先着は何人かいて、少し待たなければならない。
すると、治はにっこり笑った。


「リズム感でも負けないよ?」
『私も自信あるんだ』


そう言って数分待ち、隣について音ゲーを始めた。
難易度はHARD。
masterはHARDをクリアしてからじゃないと開かなかった。


『フルコンボ』
「恐ろしいねぇ…」


音楽が終わり、治の方を見ると、1ミスだった。
あとはパーフェクト。


(…手を抜いたな)


『コラ!手を抜かない』
「ごめんね?」

『うっ…治の1負けね』


そして、2試合目、3試合目と続いた。
勝者は私。
2試合目は引き分け。3試合目は私の勝ちだった。


「相変わらずすごい集中力だねぇ」
『私と同じように集中してた癖に』


そう言いつつにこにこ笑って音ゲーから立ち去った。
負けた治だが悔しがる気配は見せず、逆に喜んでいるようにも見えた。

彼はすべてにおいて器用にするけれど、その道を極めた私だって勝つところは勝つ。


「…あ、あれなんかどうだい?」


ふと、治が指を指した。
目線を向けるとたくさんの可愛い女の子達が居た。


(なっ…)


振り返って怒ろうとした途端、ふと奥の看板が見えた。


"新しいプリクラ台が増えました!"


『……』
「…?」


(び、びっくりした…)


私は胸を撫で下ろした。
_治があの女の子たちを見て興味が湧いたのかと。
そしたら二度とこんな場所になんか来させなかった。

私はにっこり笑って『うん!』と答えた。


「…うふふ、行こうか」
『できるだけ人が少ないとこにしよう』


そう言って、私たちはプリクラを取った。
何枚も何枚も撮って、たくさんの思い出を作った。


「うふふ、かっこよく撮れてるじゃないか」
『これ以上かっこよくなってどうするの…』


なんて会話を挟みつつ、出来上がった写真をお互いのケータイの後ろに挟んだ。
プリクラの周りには可愛い子たちがいるけれど、治の目線はずっと私に向いた。


(心地いい…)


腕に絡ませて、恋人繋ぎで傍によった。
触れてるだけで心が安定する。


(しあわせ…)

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シグマ(プロフ) - 黒川かぐやさん» うふふふ、嬉しいです!ありがとうございます!まじ共依存しか勝たん★ (8月27日 20時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
黒川かぐや(プロフ) - あの、好きです……えっと、その👉👈ほんとにこの関係が好きで、この作品沼すぎて、何回も見直しちゃってるくらいです……共依存しか勝たん🥺👊 (8月27日 18時) (レス) id: 5ae6456499 (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 橘スミレさん» ふふふ、ありがとうございます! (8月27日 3時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - これぞ共依存ですね。最高です。 (8月27日 0時) (レス) @page44 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - 眠いちゃんさん» おおっ、いいところに気づくねぇ!(ありがとうございます!) (5月13日 19時) (レス) id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2022年10月23日 19時

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